昔のカメラがめちゃめちゃ綺麗な状態で手に入ったら喜びますよね?
デッドストックとかそそられますよね?
ほんで綺麗にモルト劣化してたらテンション上がりますよね?
↑が理解できる人は友達になれそうです。
「綺麗にモルト劣化している」このワード、
変な日本語ですが、伝わる人には伝わるはず、、、
ペンタックス スポットマチックを手に入れたので
しっかりと解説する所存です。カタカナ表記にすると違和感あるな~、、
ナニワYouTubeでも徹底的に解説したので、よければ見て下さい!
動画で説明してる方が伝わりやすいかも!!!!!
【こんな人にオススメ!!】
- 写ルンです からのステップアップをしたい人
- フィルムカメラを始めたい人
- フィルム一眼を始めたい人
- M42のタクマーレンズをオールドレンズとして使っていて、
フィルムカメラを使ってみたい人 - タクマーのゴーストやフレアをフィルム写真として撮影したい人
- 自称カメクラで黒皮病を罹患された患者様
最後に作例の写真を盛り込んでおりますが、
タクマーのゴーストとフレアは綺麗ですね。
1~5番の方々に対しては入手してぜひチャレンジしてほしいです!
特に6番に関しては特殊で、綺麗なSPのブラックボディをオススメします。
綺麗なブラックボディを入手したのち、SVやS2のブラックボディ、
行き着く果てはAP+58/2のオリジナルブラックでしょうか?
筆者はそのように感じおります。。
【フィルムカメラ界の国民的アイドル】
まさにこの一言に尽きる。
日本でいう嵐かな?
それぐらい有名だと思います。
有名な理由として、
当時、普及機としてたくさん売れたカメラであること。
そのおかげもあって、カメラ屋に行けば一台はあります。
どこに行っても見かけるカメラってなかなかないですよね。
値段も手ごろで、フィルムカメラ初心者にピッタリなカメラです。
って書いてるときにうちの店にSPが一台もないことに気づく、、、
説立証ならず。。。
【SPとSPFの選択肢】
筆者的にはPENTAX SPFよりSPなんだよなぁ~というお話
その違いは見た目です。
つまりはホットシューのアリナシです。
何にもない屋根が個人的に大好きです。
シュっとしていて無駄がないと言いますか、、
まぁ、とにかくかっこいいんですよ。ただ、SPFの方が使い勝手が良くて実用的です。
なぜなら、開放測光ができるからです。
SPは絞り込み測光のため、
絞りを絞ると絞り値に応じてファインダーも暗くなります。
しかし、SPFの開放測光は絞りを絞ってもファインダーが明るい状態で維持され、
シャッター切った瞬間に設定した絞り値に絞られます。
まぁ、見た目どっちでもよかったら、使いやすいSPFを選びませう。
【ざっくりとしたスペック】
発売年月 | 1964年発売 |
①シャッター | フォーカルプレーンシャッター B,1~1/1000秒 |
②ファインダー | ペンタプリズム式ファインダー、視野約93%、視度-1.0ディオプトリー |
③露出計 | 平均測光式・TTL露出計〔Cds〕ファインダー内定点合わせ式 |
とりあえず、露出計以外は機械式で、使いやすいカメラです。
【写真撮影方法】
最低限、知っておけば撮影ができる方法です。
※前提条件として露出計が正常に作動している必要があります。
1. フィルムを装填する
まずは、フィルムを装填するために裏蓋を開けます。
巻き戻しノブを上に引っ張り上げ、さらにもう一段上に強く引っ張ると
裏蓋が開きます。
巻き戻しノブを戻して、パトローネを固定します。
フィルムの先端を巻き上げレバー下のスプールに差し込みます。
フィルムの先端をスプールの方へ引っ張り、
先端をスプールの溝に差し込みます。
しっかりと奥まで差し込めていない場合、
巻き上げた際に空回りし、上手くフィルムを巻き上げできないことがあります。
36枚撮ったつもりでも実際は空回りしていただけなんてこともあります。
差し込めたら、巻き上げレバーで巻き上げます。
上の写真は差し込んだ状態で一度巻き上げた状態です。
その時に必ず確認することがあります。
・ガイドレールの内側にフィルムが収まっていること
・スプール手前にあるスプロケット(歯車)に
フィルムのパーフォレーション(上下の穴)がかみ合っていること
この二点を確認し、問題なければ裏蓋を閉めます。
閉めたあとに
フィルムを巻き上げてシャッターを切る動作を2回行ってください。
感光したフィルムを空送りするためです。
2. フィルムを巻き上げる
この巻き上げレバーを反時計回りに巻き上げます。
最後までしっかりと巻き上げましょう。
3. フィルム感度をセットする
装填するフィルムのISO感度に合わせてシャッタースピードダイヤルの周囲をつまみ上げISO感度を設定します
4. シャッタースピードを決める
3の写真のダイヤルをつまみ上げずにそのまま回し、
シャッタースピードを決めます。
5. 構図を決め、ピントを合わせる
クロスマイクロプリズム(画面中央部)でピントを合わせ、
構図を決めます
↑ピントが合っていない状態
↑ピントリングを回しピントを合わせた状態
6. メーター(露出計)のスイッチを入れます
露出計の電池はMR-9水銀電池ですが、
現在は廃盤となっており、
H-BアダプターとSR626Wで代替え可能です。
SWと表記されている部分が露出計のスイッチです
スイッチを上げるとメータースイッチ小窓が赤くなり、作動します。
ファインダー内の右側にある露出計の表示があります。
スイッチを入れていない状態だと適正露出範囲からややマイナス(下)側に
針があります。
露出計のスイッチを入れました。
露出計の針はプラス(上)側に大きく振れました。
絞りF1.4では露出がオーバーということを示しています。
もし、この状態で写真を撮影すると、明るすぎて白く飛んでしまい、
最悪何も写らないことがあります。
絞りをF4まで絞ると、適正露出範囲内に針が収まりました。
絞り環を矢印で示しました。
絞り環を回すことで数字が大きくなっていき、絞りが絞られていきます。
なぜ、絞りで露出を調整するかというと、
タクマーレンズは絞りが1/2段ずつ変更可能がゆえに、
細かな露出調整ができるからです。
ファインダー内で露出計を合わせたことがある方ならわかると思いますが、
シャッタースピードを1段変更すると大きく針が振れてしまい、
適正露出の位置に針を持ってくることができない場合があります。
かといって、絞りを変えることによる描写の変化は免れないので、
そこは作画意図に応じて、シャッタースピードも変更しましょう。
7. シャッターを押す
シャッターボタンを押すと設定したシャッタースピードで切れます。
巻き上げレバーを巻き上げようとしても巻き上がらない場合は
撮り切った合図となります。そのまま無理に巻き上げようとすると
中でフィルムが千切れてしまうので注意です。
8. 巻き戻し
フィルムを巻き戻してパトローネに収める必要があります。
ボディ底面にフィルムを巻き戻しに欠かせない巻き戻しボタンがあります。
巻き戻す際は必ず押さなければなりません。
ちなみに、露出計を作動させる電池は
三脚ネジ穴横の電池室にMR-9水銀電池を入れます。
今現在、MR-9は廃盤なので、H-B電池アダプターPENTAX SP用とSR626Wで代替えすることが可能です。H-B電池アダプターPENTAX SP用は電池蓋ごと入れ替えるアダプターで、その蓋にSR626Wのボタン電池を入れて使用することになります。
巻き戻しボタンを押すことにより、
通常、時計回りにしか回転しないスプロケットを逆回転できるようにします。
押さずに巻き戻すと、中でフィルムが千切れてしまいます。
万一、中で千切れてしまった場合は裏蓋を開けずにフィルム現像を受付している店舗に
持ち込みましょう。しっかり事情を説明すると、受付の方も対応しやすいです。
巻き戻しボタンを押した後、
巻き戻しクランクを引き起こし、
矢印の方向にひたすら回します。
巻き戻しの感覚が軽くなれば終わった合図です。
裏蓋を開き、フィルムを取り出して終了です。
【作例】
今回はボディの紹介ですが、一応作例も貼っておきます。
「SPの写りが好き」と言う方がいますが、
フィルムカメラは使用するレンズとフィルムによって変わりますので、
「SPに付いているレンズの写りが好き」が正解です。
極論どんなボディを使用しても同じレンズを使用すれば、同じ写りとなります。
※使用レンズはSMC Takumar 55mm F1.8です
【Kodak ProImage 100】
【Cinestill 50D】
いかがでしたでしょうか?
アタシらしくなく、かなり真面目に書いてしまいました。
とにかく、
フィルムカメラ始めるんやったらSPにしとき!!
ということだけ言っておきます。
フィルムカメラの基礎を学ぶことができるので、
ハードルが高いと思っても飛び込んでほしいです。
しかし、SPは露出計が壊れていたり、ミラーアップしたまま動かなかったり、
巻き上げができずに動かない個体をよく見かけます。
ですので、何か不具合があれば、
カメラ屋か修理屋に持ち込みましょう。
修理をすれば長く使うことができるカメラの一種です。
そして、SPを手にした矢先、その先には沼があることを忘れないでください。
M42マウントという沼は深いです。
気をつけなはれや。
以上、カメラのナニワ梅田2号店の若林でした。