皆さま こんにちは ナニワグループ 猫写真担当 見崎です。
近畿地方では、梅雨入りしたのもかかわらず、京都市では猛暑日36℃を記録するなど、雨があまり降らない6月ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
まもなく迎える7月といえば、「暑中見舞いシーズン」ですね。
「暑中見舞い」は、お世話になった方やなかなか会えない旧知に対して、猛暑時期の健康を気遣う季節の挨拶として、江戸時代から始まったと言われています。
「暑中見舞い」の贈り物として、«涼»を感じられるビール・ジュース・羊羹・ゼリーなどが思い浮かびますが、カメラ好きの知人であれば、オールドデジカメ・オールドコンデジをプレゼントにする奇策もありかもしれません。
限られた予算のなかで、カメラ好きの知人に喜んでもらえる機種のひとつとして、今回は、【ニコン D70】をピックアップしました。
筆者は当時、「アサヒカメラ」・「デジタルカメラマガジン」というカメラ趣味雑誌を購読していましたが、【D70】に関連する撮影術・RAW現像術など様々な特集が組まれていたことを思い出します。
発売より20年以上経過したカメラですが、今でも根強い人気のあるデジタル一眼レフでもあります。
前回に引き続き、東大阪市の喫茶店「calm」様のご厚意のもと、 ブログ作例用の猫写真をご用意しました。
最後までどうぞお付き合いくださいませ。
【初心者層を含めた守備範囲の広い中級機種】
ます、【D70】が発売された2004年3月当時のニコン 主な一眼レフのラインアップを確認しましょう。
◆プロフェッショナル機種
D1X(有効画素数 530万画素)・・・デジタルカメラ
D1H(有効画素数 270万画素)・・・デジタルカメラ
F5・・・フィルムカメラ
◆プロフェッショナル・ハイアマチュア機種(上級機種)
D100(有効画素数 610万画素)・・・デジタルカメラ
F100・・フィルムカメラ
◆ハイアマチュア機種(中級機種)
D70(有効画素数 610万画素)・・・デジタルカメラ
F80D/F80S・・・フィルムカメラ
FM3A・・・フィルムカメラ
◆エントリー機種(初心者向け)
U2・・・フィルムカメラ
Us・・・フィルムカメラ
FM10・・・フィルムカメラ
FE10・・・フィルムカメラ
2001年以降、フィルム消費量(現像本数)が減少に転じたものの、当時のデジタル一眼レフは、最も安い機種でも30万円以上と簡単にお買い求めやすい価格とは言えませんでした。
ニコンをはじめ キヤノン・ミノルタ・ペンタックスも、オートフォーカスフィルム一眼レフのラインアップに充実感を持たせた最後の時期でもあります。
なお、ニコンでは2006年にフィルム一眼レフ【F80D/S】【FM3A】【FE10】【U2】【Us】 は生産完了、【F6】【FM10】計2機種だけ残してデジタル一眼レフのラインアップ拡充に移行します。
また【D70】のメーカー希望小売価格は、ボディのみ/15万円(税抜) AF-S DX18~70mmセット/20万6千円という価格設定に、アマチュア写真愛好家はもちろん、運動会や家族旅行などのファミリー層にも、デジタル一眼レフに関心を持ってもらえる機種でありました。
【「仕上がり設定」機能も搭載】
ニコンのミラーレスカメラでは、「ピクチャーコントロールシステム」と呼ばれる輪郭強調、コントラスト、明るさ、色の濃さ(彩度)などの設定をカメラやソフトウェアで相互に利用できるニコン独自の画作りシステムを搭載しています。
カメラメーカーによって名称は異なりますが、撮影者の好みに合った画作りを簡単にできる設定は、標準装備の機種が当然となっています。
最近、Z世代で人気上昇中であるオールドデジカメ・オールドコンデジと呼ばれる2000年代初頭の機種には、撮影者の好みに合った画作りを簡単にできる設定が付いていない製品も多々ありました。
しかし、【D70】には「仕上がり設定」と呼ばれる「ピクチャーコントロールシステム」の原型となる撮影シーンや好みに合わせて、「鮮やか」「シャープに」「ソフトに」「人物きれい」など、最低限の設定はできます。
当時は、アナログカメラの需要がまだ高く、数十種類のフィルムから好みのあう銘柄を選び、撮影後に現像所(ラボ)に依頼することで1枚の作品を仕上げてきました。
一方デジタルカメラでは、カメラメーカーが画作り(ソフト)を考え、撮影者自身で設定・RAW現像という表現を撮影者でコントロールできる幅が非常に大きくなった転換期でもありました。
【撮影を愉しめる光学ファインダー】
2025年6月時点で、ニコンのレフレックスファインダー機種は【D850】【D780】【D7500】のわずか3製品。
ハードウェアの技術発展のおかげで、ミラーレスカメラの進化は留まる気配がありません。
一方、愛しい被写体(筆者の場合は、猫)と向き合い対話している感覚が高まる光学ファインダーを有するカメラは「写真機」として堂々と存在できる最後の砦と思っています。
バリアングル液晶モニターではハイアングルなどの構図では楽な姿勢で撮影できますが、カメラをアイレベルで構えて光学ファインダーから見えてくる「素の光」から想像できる過程は、一眼レフカメラならでは特徴です。
【D70】の光学ファインダーは、アイレベル式ミラーペンタを採用。
AF-S18-55mm F/3.5-5.6などの絞り値の暗いレンズでも明るく見えます。また 50mm F/1.4などの明るいレンズでは、背景のボケをしっかり体感できます。
【新旧様々な選択肢の多いオートフォーカスレンズ】
現行のFマウント交換レンズの大半は、レンズ内モーターでオートフォーカスを作動させる【AF-S】もしくは 【AF-P】に限定されます。
しかし、Nikon D70発売当初の主な交換レンズのラインアップは、【AIAF Dタイプ】と呼ばれるカメラボディ側のモーターでオートフォーカスを作動させるタイプが主流だったため、オートフォーカスレンズに制約が少ない機種の1台でもあります。
交換レンズをとにかく安く揃えたい場合は【AIAF Dタイプ】 静寂なオートフォーカスを望む場合は【AF-S Gタイプ】から探すと良いでしょう。
注意事項として【AI Nikkor 35mm f/1.4S】 【AI Nikkor 50mm f/1.4S】などの非CPU Aiタイプのマニュアルフォーカスレンズ(MFレンズ)は装着可能ですが、露出計が連動しないためマニュアル露出のみで撮影することになります。
【気になる中古相場は?】
21年前のハイアマチュア・ファミリーユーザーをターゲットした黎明期デジタル一眼レフのため、中古カメラ店ではデジタルコンパクトカメラよりも安く入手できる場合があります。
外観スレキズ多い・ファインダー内ホコリが目立つランクであれば、税込み5.000円程度~ グリップの状態が良く、外観・ファインダー内も綺麗に清掃されたランクであれば、8.000~10.000円で探すことでできます。
但し、中古カメラ店のジャンクカメラ品(現状品)、オークションサイト等の格安品の多くは、エラー表示【CHR】が頻発している個体が多いです。
【D70】のエラー表示【CHR】は、コンパクトフラッシュの抜き差しを何百・何千回と繰り返しているうちに、プリント基板の配置がズレることが原因と当時を知るニコン修理認定技術者さんより修理実演を見せてもらった機会に教えてもらった記憶があります。
インターネットでは、自己流でCHR修理をチャレンジしているブログ他がありますが、あくまでも自己責任で仮修理として参考程度に留めましょう。
なお、筆者も【D70】を複数台、愛用していますが、まだエラー表示【CHR】が出ていません。
予防策として、「大容量16GB」を挿入して、メモリーカード一杯になるまで引き抜かないようにしています。
必要な画像データは、インターフェースケーブル「UC-E4」を接続することで、パソコンに転送するように心がけています。
【購入にあたって気を付けるべき点】
今回、ご紹介した製品は、流行のオールドデジカメと呼ばれる2000年代初頭の製品です。
デジタルカメラ本体が正常に動作していても、アクセサリー類が現行品では対応できない場合があります。
●記録メディアについて
プロフェッショナル機種【D5】・高画素機種【D810】でも採用しているコンパクトフラッシュカード(TypeI/II対応)を採用しています。
【D70】は有効画素数600万画素と1枚あたり約 2.9 MB (FINE(圧縮率1/4))と小さいデータのため、2GBのコンパクトフラッシュカードでも500枚~撮影できます。
筆者の経験上、家電量販店でよく見かける大容量コンパクトフラッシュ【16GB】でも問題なく記録・再生は可能です。
●グリップ・端子カバーの劣化
【D70】をはじめ、入門機種【D50】・中級機種【D100】などのグリップ部と端子カバーゴムが劣化している中古品をよく見かけます。
ボディの一部にはゴムを使用しているため、カメラの保管状態によって、経年劣化による加水分解を起こして、べたつきが出てきています。
インターネットで検索すると、エタノールによる拭き取りのほか、様々な方法でべたつきを軽減されているので、購入時にあわせて調べてみると良いでしょう。
●専用充電式バッテリーEN-EL3について
D70発売当時の「バッテリーパック「EN-EL3(黒い柄)」は、ニコンイメージングジャパン株式会社から2005年11月に回収(その後 買い取り対応に変更)のアナウンスが出ています。
◆◆◆◆◆注意喚起及び回収他に関するメーカー告知◆◆◆◆◆
~ニコンイメージングジャパン株式会社 ホームページより~
この度、弊社デジタル一眼レフカメラ用 Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL3 生産品の一部で、稀に発熱して電池が変形、場合によって発火する恐れのあることが判明致しました。これまで、全世界で 4件の事故を確認しておりますので、お客様に安心してお使いいただけますよう、対象製品につきまして ※自主的に回収交換をさせていただくことと致しました。 ※変更➞買い取り対応とさせていただきます( ※変更日 2022年1月19日)。
弊社 Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL3 は、ニコンデジタル一眼レフカメラ D100、D70、D70s、D50 に使用可能な Li-ion リチャージャブルバッテリーです。
これら 4 機種の内、D100、D70、D50 には当該電池を付属して販売させていただいております。
回収対象のバッテリーをお使いのお客様は、専用お問い合わせ窓口よりお申し込みくださいますようお願い申し上げます。
具体的な回収対象製造ロット番号の確認・バッテリー回収交換お申し込み方法については、公式ホームページにてお確かめください。
なお、後継製品だった純正品「バッテリーパック(EN-EL3e」も生産完了になってから久しく、これから新品で入手するのはたいへん難しいです。
互換性バッテリーパックは、現在でも様々なメーカーより販売しているため、購入前に保証内容・対応充電器の確認をしましょう。
【最後に】
最近は、インターネットオークション等で簡単に入手できるオールドデジカメですが、購入者が気にする事柄に、「カメラの状態が把握できない」が挙げられます。
インターネットオークションの性格上、驚くような低価格で落札できる場合もありますが、大きな不具合を抱えているリスクも多くあります。
カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラで販売している中古品は、1点1点、各種動作・各種状態を点検のうえ、不具合箇所を明記のうえ、店頭に並べています。
また、店頭で実機を触りながらテストできるほか、購入後に動作不良があった場合は初期不良対応も承っております。
はじめてのオールドデジカメで迷っている方は、是非とも当店でご用命くださいませ。

コナンくん コピィくん ティモくん
◆◆◆撮影協力:猫がいる喫茶店「calm」◆◆◆
住所:大阪府東大阪市長田東3丁目2−43
最寄り駅:近鉄/大阪メトロ長田駅 3番出口より徒歩3分
駐車場:なし ※近隣のコインパーキングをご利用ください。
未成年の入店:不可 日替わりランチ:あり モー二ング:あり
※今回の猫撮影は特別に許可をいただいています。
猫カフェでありません
通常、猫は別部屋またはゲージ内にいます。
詳しい営業内容は「calm」公式ホームページにてお確かめください。