Canon レモン社 銀座教会店

商品レビュー:Canon EF35mm F1.4L II USM

Canon EF35mm F1.4L II USM

今回は2015年9月に旧モデルからリニューアルされた単焦点Lレンズ「Canon EF35mm F1.4L II USM」を使ってみました。

Canon EF35mm F1.4L II USM

Canon EF35mm F1.4L II USM

BR光学素子を採用した複合レンズ「BRレンズ」を使用する事で色収差を効果的に補正、絞り開放から万全の性能を発揮する等々謳われるゴージャスなレンズです。ちなみに、寸法・重量もなかなかゴージャスだったりしますので、使うにはそれなりの覚悟が必要ですね(一番ゴージャスなのはお値段だったりします)。

くすみの無い白さ、とか輝きの白さとか云いますと何やら洗剤の謳い文句のようですが、実際にはなかなか「純白」を再現してくれるレンズは少なかったりします。
妥協点の多いレンズの画像だと一見して白く写っても、エッジの部分に要らない色が浮き出たり・・・それが味とかいろどりになる事も無くはありませんが。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F8 1/500Sec.   EOS 5DMKIV 以下、右クリック→新しいタブで画像を開くで拡大できます

ハイライトからシャドウまでちゃんと白く、繋索や手すりのハイライト部分を拡大しても色収差は実によく抑え込まれています。

EF35mm F1.4L II USM

隅っこを拡大

流石、値段だけの事はありますです。それにしても重い。でかい。

旧モデルよりもちょっとだけ(2cm)近接能力も向上し、最短撮影距離は0.28m。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F1.6 1/125Sec.

特別寄れると云うワケでもありませんが、開放付近のごく浅い被写界深度が大きなボケを楽しませてくれます。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F1.8 1/8000Sec.

煩雑な背景もスムーズなボケに・・・でもちょっと、逆光はあまり得意ではなさそうです。絞り開放付近と云う事もあるかも知れません。

絞り込むと、真逆光でもキレッ切れの描写が楽しめます。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F8 1/3200Sec.

マウイでもオアフでも夢のカリフォルニアでもなく、ここは稲村ケ崎です。
突き刺さんばかりの強烈な太陽が・・・でも11月下旬です。
水平線がちょっと曲がってますが、これは当然歪曲ではなくて私のフレーミングのせいです。構えざまにチャチャッと撮影したものですから・・・ですが、辻斬り的な撮影時も素早くAF合焦出来るので、スナップにも十分対応してくれます。やっぱり重いですけど。

風が強く波飛沫と砂の舞う日でしたが、このEF35mm F1.4L II USMは防塵防滴仕様であるのみならず、前面&後面にはフッ素コーティングも施されているので汚れ・油や水分をはじき易いのも大きな特徴の一つです。とは云え、レンズ表面に潮の飛沫が付着するとかなり精神的にヤラれますので、厳しい環境で使う事が多いのであれば、繊細な神経の方や売却時の事をお考えの方は保護フィルターの装着をお勧めします。

所変わって横浜港にて。
大口径ではありますが、当然35mm本来の適度な被写界深度を活かしたボケ無し撮影も魅力です。EF35mm F1.4L II USMは端から端まで隙のない描写を発揮し、デッキの手すり、板金の接合線、窓の汚れ等々あますところ無く写しだします。掃除してるのかな?

Canon EF35mm F1.4L II USM

F8 1/640Sec.

極めて高い解像力を持つこのEF35mm F1.4L II USM、今回は実に楽しく撮影しております。私はCanonユーザーではないので、「やば!うっかり欲しくなっちゃったよ!」なんて心配がありえないのがまた大きな安心感。それにしても重いな。

大口径レンズと云えばボケの他にも暗所での撮影も大きな魅力。
周辺光量補正をOFFにすると、髙い解像力を維持しながらもオールドレンズの様な四隅の光量落ちが楽しめます。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F1.4 1/4000Sec.

ランプ部分だけきちんとピントが来て、支柱はなだらかにボケていき、背後のビルや流れる雲は雰囲気だけのモノになっていきました。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F1.4 1/1600Sec.

吊下げられた小さな電飾の一つひとつも、緻密に描いてくれます。絞り解放からここまで描くとは正直驚きです。
本当は周辺光量補正ONにしますと、絞り開放から殆ど光量落ちを意識しないレベルになるのですが、今回は情緒メインで撮影しましたので開放時は全て補正OFFです。


情緒と云えば港・・・マドラス・・・見送る女ってメケメケかよ。とか云われそうですが、夕闇迫る中、船出の時が近づいてくると、自分が乗るでもないのにちょっとワクワクと淋しさが入り混じるようです。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F1.4 1/800Sec.

この船も船出を待つばかり。後部デッキの明るさと闇に沈み始める街のコントラストが、予想以上の立体感を出しているような・・・と思いつつ元画像を拡大すると、船尾卓球台の上に佇む女性客が何とこちらに向かってピースサインをしていました。俺の情緒返してくんない?・・・とは云え、実に呆れた解像力を確認した瞬間でもありました。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F1.4 1/400Sec.

Canon EF35mm F1.4L II USM

F1.4 1/640Sec.

やがて船上の華やかな電飾が消されるといよいよ船出の時を迎え、野太い汽笛を上げて出港していきました。誰も知っている人が乗っているでもないのに、ちょっとウルウルしてしまいます。

そして夜になりました。
こんな大口径レンズを手にしていれば、当然夜景も撮りたくなります。

Canon EF35mm F1.4L II USM

F2.5 1/4Sec.

絞り開放から1段ちょと絞っていますが、背後の光源も不自然な色滲みは無く、形もきちんと再現されています。

 EF35mm F1.4L II USM

F4 1/6Sec.


残念ながらこの EF35mm F1.4L II USMには手ぶれ補正機能が無いので、いかに大口径とは云えそれなりに気合を入れて使う必要があります。それに重いし。本当にCanonさん、重力キャンセラーとか発売しませんか?そしたらデカいのは目を瞑って、私も他社からの乗り換えも考えないでもないですよ?

Canon EF35mm F1.4L II USM
レンズ構成:11群14枚
GMo非球面x1、研削非球面x1、UDレンズx1、BRレンズx1
絞り構成:9枚羽根
最小絞り:22
最短撮影距離:0.28m
フィルター径:φ72mm
寸法:φ80.4mm×105.5mm
重量:約760g

お問合せはレモン社銀座店
又はナニワオンラインまでどうぞ

作成:レモン社銀座店 松浦

 

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