商品レビュー:ニコン AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

2016年12月20日

今回はニコンの大口径単焦点広角レンズ、AF-S NIKKOR 28mm f/1.8Gを使ってみました。
開放F値1.8の大口径で全長もメ0カー公表値80.5mmと、決して小振りなレンズではありませんが、見た目から受ける印象よりもずっと軽量(330g)です。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

広角28mmながらF1.8の大口径と云うことで、それなりにボケが期待できるのですが。ある程度被写体に踏み込まないと中途半端なボケになってしまいがちです。例えばこんな風に・・・

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/3200 ASA200

ジワリジワリとカモメに近づきながら数枚撮影し・・・この距離が限界でした。1mちょい、位です。できれば50cm位には接近したかったのですが。

続きましてはしっかり寄って開放あたりをテスト。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/1250Sec.

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F2.2 1/400Sec.

こちらのサンタさんはちょっとピントがズレてしまいました。顔を狙った筈ですが足の裏に合焦している模様・・・

開放付近は程良く柔らかくなるだろう、とは想像していましたが、この手の大口径レンズは開放時の周辺光量落ちもよく見受けられる傾向です。光量落ちは好みによるとは思いますが・・・

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/4000Sec.

結構大きな光量落ちです。背景にもよりますが、F4程度に絞るとあまり気にならなくなるようです。この時はF3.5でほぼ解消しました。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/5000Sec.

トイカメラ並みに落ちてくれます。D800をトイカメラと呼ぶ勇気はありませんが。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/3200Sec.

背景との距離が大きいもので、何がなんだか判らない位にボケてくれました。

以前、マイクロフォーサーズ用のDGズミルックス15mmF1.7で同じようなシチュエーション・絞り開放で撮影していますが、流石にフルサイズとマイクロフォーサーズの持ち味の差が現れます。DGズミルックス15mmの開放付近では、も少し背景が判別できる程度のボケ方だったように思います。AF-S NIKKOR 28mm f/1.8Gで真似っこしてみると。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F5.6 1/400Sec. 真似っこ

多分これくらいのボケ方だったような気が・・・ただしDGズミルックス15mmではこの程度のボケ方で、ちゃんと周辺光量落ちを見せてくれました。こちらはF5.6と云う事で、すっかり均質な露光になっています。

寄ったりボカしたりばかりなので、今度は広角レンズらしくちょい絞り気味で撮影を。開放付近の何処と無く柔らかい描写からガラリと表情を変えてくれます。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F8 1/500 ちょいと絞ればキリリとします。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F6.3 1/1600Sec. 石壁の質感もしっかり描写。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F5.6 1/1000Sec. 左の船やや手前に合焦

あまり絞り過ぎないF5.6でも被写界深度は十分に深く、合焦位置次第でパンフォーカス的な使い方が可能。遠景正面のビルもしっかり描写してくれます。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F7.1 1/250Sec. 奥行きのある被写体もしっかり解像。

船体の手前から奥にかけて結構な距離がありますが、全体をしっかりと解像してくれています。ちなみに船名は・・・「飛鳥II」。IIって2回目って意味ですかね?

冒頭でもお話したように、スペックの割には重さが気にならないAF-S NIKKOR 28mm f/1.8G。気軽な散歩でも本気の撮影でも満足させてくれるレンズだと感じます・・・
だがしかし。折角レンズが重くないのに、カメラが重い!

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G
レンズ構成:9群11枚(非球面x2・ナノクリスタルコートあり)
絞り構成:7枚羽 円形絞り
最短撮影距離:0.25m
寸法:φ73×80.5mm(レンズマウント基準面~レンズ先端)
重量:330g
フィルター径:φ67mm

お問合わせはレモン社
又はナニワオンラインまで


ライカ親爺のうんちく(続々の続々)

2016年12月5日

焦点距離

商品に表示されているレンズの焦点距離は、設計上の値と異なる。有名なのは、ライカの標準レンズは設計値51.6ミリ、距離計コンタックスは52ミリが設計値になっており、スクリューマウント時代のキャノンもニコンも、いや他のメーカーも51.6ミリが設計値になっている。ニコンは、51.6ミリでスクリューマウントもSシリーズも作った。その為、被写体深度の深い50ミリ未満のレンズは、コンタックスとニコンSで共用することは可能だが、50ミリ以上に互換性はない。Sシリーズ用望遠レンズの中で、焦点距離が設計値より長い物は鏡筒にCの刻印があり、距離計コンタックスでも使う事が出来る。以前、コシナが生産した、ニコン/コンタックス用レンズは、広角はSCスコパー、50ミリ以上はS***になっている。
ライツ社は、製造時からバラつきを少なくなるように細工をしており、貼り合わせレンズも、設計値になるように薄い物と厚い物を組み合わせている。組立後、設計値にならないことがあり、ヘリコイドのカムの移動量に影響する。その為、それに見合うヘリコイドを作っている。Mマウントで50ミリ以上のレンズの場合、距離目盛の無限遠の横に、縦に小さく2ケタの数字がある。50ミリの場合、22とあれば52.2ミリ、16とあれば51.6ミリになる。スクリューマウントの場合、無限遠ロックボタン受の裏に、アルファベットあるいは数字で書かれている。戦後、ライカのレンズを付けた時と自社のレンズを付けた時、ピントが違う事に気付いた某社の技術者は、何本かのレンズを比べ、ヘリコイドの移動量が異なることに気づき、理由がわかったという。最近の新レンズは、どうかな?と思って見ると、数字が無い!ただし、気になることを発見した。レンズ側のカムの部分が、コロに当たる部分まで黒メッキされており、点が打たれていることに気付いた。ノクチルックス0.95は点1つ、アポズミクロン50は点2つになっている。確か両方ともフローティング機構が入っているので、そこである程度の誤差をカバーしてるのか?その違いを示すための点なのか?謎は深まる!

dsc_4489-1 dsc_4487-1

ズミクロン90㎜。10なので、91ミリ       ズミクロン50㎜。22なので、52,2ミリdsc_4488-1アポズミクロン50ミリのカム。点2つが判る

 


ライカ親爺のうんちく(続続々)

2016年11月22日

改造

 近年、メーカー純正の改造と云うのは極まれである。ニコンD3で内蔵バッファ―増設があり、ニコンD5でカードスロットの変更、マミヤRBで6X8マガジン対応と。マミヤ7Ⅱが出た時に改造サービスが有ったぐらいか。

 オスカーバルナックが、距離計連動のⅡ型を開発するとき、8つの条件を設定しその中に、中に新機構を旧型に組み込んで、容易に改装できる設計でなければいけないという項目を立てた。それは見事に実行され、1型のシリアルナンバーのままで、距離計内蔵となったものを見ることがあり、シンクロ機構が内蔵された3F以後の時代での改造では、シンクロ装置も連動距離計と共に改造を受けるようになり、無論、距離計内蔵機では、シンクロ装置のみの改造も、ウエッツラーのライツ社で受けるようになった。大昔、その話を本で読んだときに、費用がいくら必要だったのか、気になっていた。今と違って、容易に個人での輸出入が出来る時代ではない。答えは、あっけなく見つかった。東京西麻布にあった、ペンタックスギャラリーが発行していたミラーイメージという雑誌に、ライカ特集をした号が有り、最近入手した。主に中川一夫氏が書かれておられ、その分の中に“これらの改造は、外貨の関係でシュミット(当時のライカ輸入代理店。親爺注)では受けてはいなかった”とある。読んだ瞬間、ショックで持っていたビールのジョッキを落とすことはなかったが、あっけない答えだった。確かに、外貨は大蔵省から割り当てのある時代で、今と違って個人での輸出入は不可能、クレジットカードは普及しておらず、消費税の施行前で輸入関税と物品税の時代である。たぶん、シュミットは商品の輸入用の割り当てを貰うので、精いっぱいだったのだろう。考えれば無理!という答えはすぐ出ても良かった。ついつい調べたくなるのはビョーキである。しょうがない。

 70年代初頭に、バルナックタイプの部品の生産は中止され、それ以前に改造受付は終了している。たぶん、世界中にバルナック型の改造に必要な部品は、存在していないであろう。M型の改造は、M1に距離計を載せてM2への改造が出来たと聞くが、親爺は、改造されたものを、見たことが無い。M3の2回巻上を1回巻上に、フレームセレクターレバーの取付け改造の2点もしていたが、この2点の費用は不明である。やはり国内で受けていなかった可能性がある。何か資料をお持ちの方は、お教えいただけると幸いである。


商品レビュー:AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

2016年11月8日

今回試用したのは、ニコンさんのDXフォーマット高倍率ズーム、AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR IIです。
35判換算で27-300mm相当をカバーしてくれる、つけっぱなしOKレンズですね。レンズ交換の必要が無ければ、登山や旅行の際に大変便利なうえセンサーダストのリスクも低減出来ると云うのも魅力の一つでしょう。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II。2009年登場です。

最短撮影距離はズーム全域で0.5mなので、マクロ効果も期待出来そうだな・・・なんて期待しながら出かけたのは昨日までの晴天とは打って変わってのっぺり曇天の空模様の日となりました。
そんなワケで今回は逆光チェックが出来ませんでした、と先に申し上げます。使用ボディはD7200。

まずは広角端での周辺光量落ち具合を様子見です。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F3.5 1/3000Sec. ASA400 18mm(広角端)

画面端にやや光量落ちが見られますが、F5.6以上で無視出来るレベルとなります。
合焦は画面中央付近ですが、絞り開放ながら手前の枠も必要十分に解像しているようです。

続いて、大雑把にズームの中間域あたりで様子見をしてみましたが。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F5.3 1/1500Sec. ASA250 95mm(142mm相当)

画面天地の隅っこに光量落ちが出ますが、範囲はとても小さい・・・のですが。背面モニタで既に気になっていたのですが、基画像を見ますと、キッチリ結像しているのはどうやら画面中央~中間部付近のみ!
画面下部の窓枠やら、上部の鉄塔部やらはユルユルの仕上がりとなりました。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

画面端の方だけ拡大

厳しいけど、絞り開放だから・・・かな?

ちょいと絞れば、周辺画質も改善するだろうと思いつつ、70mm/F8で撮影したのがこちら。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F8 1/90Sec. 70mm(105mm相当)

期待したのですが、画面周辺部はどうにも甘い傾向が残ってしまうようでした・・・中央部付近はちゃんと仕事してくれているんですがねぇ。
以前に某社の高倍率ズームを試した時、望遠端175mmながらも満足できるのは100mm付近までだったなんて事がありました。ひょとしてこの子もそんな傾向なんでしょうか?
飛び道具的な望遠域を持つ事は高倍率レンズの魅力の一つですが、日常的な画角に関してはAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR IIの方が良好な画質を得られるように思います。

それでも、画面両端をアウトフォーカス部になるようにすると。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F6.7 1/250Sec. 95mm(142mm相当)

ちょっと甘いかな~と思いつつ、ギリギリ許容範囲に入るかなぁ・・・と云った処です。

もっと望遠側では。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F5.6 1/125Sec. 170mm(255mm相当)

近接能力が高いので、「一箇所だけピンが来ればOK」な撮影には十分に対応してくれそうです。マクロ的な距離感の撮影時はボケも良好です。
望遠端200mmでは。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F5.6 1/750Sec. 200mm(300mm相当)

ベンチまで結構な距離がありますので、F5.6でもボケボケとはなりませんが、四隅の甘さは誤魔化せました♪

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F5.6 1/350Sec. 200mm

中央付近の合焦部は実用十分(上出来)な解像力です。

望遠効果の高いレンズなので、ついついD7200の1.3xモードも使いたくなります。なりました。なりますよね?
普通のDXモードで望遠端を。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F5.6 1/180Sec. 200mm

続きましては、ほぼおなじ位置から1.3xモードを使って。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F5.6 1/250Sec. 200mm(1.3xモードで400mm相当)

画質がちょっと甘いのは相変わらずですが、お手軽に超望遠400mmを楽しむには十分、と思っていただけるかどうか。

どちらかと云うと、広角18mmは結構良さげな印象、望遠側でマクロレンズっぽい使い方をしている時はあまり気になりませんでしたが、中間域以上では風景撮影には使い方を選ばないと・・・などと感じるレンズでした。手ブレ補正効果に関しては流石に7年前のモデルなので、5軸手ブレ補正に馴染んだ方には「なんとなく効いてるかな」と云った印象を与えそうです。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

F5.6 1/500Sec. 200mm

 NIKON AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II
レンズ構成:12群16枚(非球面レンズ×3、EDレンズ×2)
手ブレ補正効果:3.5段(メーカー公表数値)
最短撮影距離:0.5m(ズーム全域)
フィルターサイズ:φ72mm
寸法:φ77×96.5mm
重量:565g

新品購入をご検討中であれば、併せてAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VRも検討される事をオススメします。 
お問合わせはレモン社又はナニワオンラインまでどうぞ。
担当:M

 


ライカ親爺のうんちく(続々)

2016年10月28日

ライカと現像液
ご存じのように、35ミリ判のフィルムは映画用のフィルムと同一である。(厳密にいうのであれば、パーフォレーションの形が異なる)テレビや、DVDでサイレント映画を見ると、コントラストが高いのに気が付く。映画は、スクリーンから離れてみるので、粒状性が気になることはほとんどないし、上映用はポジを使って、プリント(複製)を作っていたとも聞く。サイレントの時代は、問題が無かったが、トーキーになってからサウンドトラックの問題が発生したようで、コントラストが高くなく諧調のある、微粒子現像液の必要性が出た。コダックのD-76は、当初映画用ネガフィルムの現像用に開発された現像液で汎用性が高く、発表され今日まで生きながらえている。前後して多数の微粒子現像液が発表されたが、問題点が多く、今日では処方集にその名を残すのみとなった。
発表当初から、ライカはシステムカメラとして引伸ばし機や、フィルム現像タンクも作り出した。現像タンクは、現在の形ではなく、ガラスの筒の内側にフィルムを巻き込み
トレイの中に現像液をため、その中をガラス筒が回転しながら、液とフィルムがふれるという仰々しい、タンクというより現像トレイであった。その後、ベークライト製と思われる、現在のタンクが作られ楽になった。材質もステンレス製や、現在の合成樹脂製もあり、温度管理に一長一短がある。
D-76と同様に、長年にわたって使われているのに、アグファゲバルトのロジナールがある。アグファブランドでは発売されておらず、同様のレシピで作られたものが、国内でも入手可能になっている。1:25あるいは1:50の希釈で使う。原液は短期で使わないと、空気酸化で、コントラストが低くなり現像できなくなる。
D-76の同等品に、ID-11がある。英国イルフォードの処方で、一部異なる薬品を使っているが、同等に考えていい。現在は、パッケージに入って販売されている。
現像液は、アルカリ性のため使用液が空気に触れていると酸化し、使用できない。このため、ロジナールのように希釈使い捨てか、原液使用の場合はベローズボトルに入れ空気を追い出すのがいいだろう。せっかくのフィルムなのだから、間違いの無いように現像したい。