Ricoh レモン社 銀座教会店

RICOH GR1v 使用レビュー

「GR IV 予約受付中」

ものの5分くらいで予約できない状態になりましたね。

いやーーー、予想してはいましたが凄い状況ですね。

ちなみに現状弊社でも予約できない状態です。

筆者も欲しいんですが、予約できなかったんで絶望的ですね。

毎度おなじみ?レモン社銀座店の山下です。

という事なので、今回はデジタルはあきらめてフィルム時代のGR、「GR1v」をレビュー致します。


主なスペック

使用フィルム 35mm判フィルム
レンズ GR LENS 28/2.8(非球面レンズを2枚含む4群7枚構成)
露出制御 プログラムAE、絞り優先AE
シャッター速度 2~1/500(絞り優先AE時2~1/250、1/500(F16時のみ))
測光範囲 平均測光、中央重点測光(シングルオートフォーカスモードでのみ使用可能※LV6以上で作動)
マニュアルフォーカス 1m,2m,3m,5m,∞のステップで使用可能
ISO感度 DXコード読み取りに対応、手動ISO設定も可能(25-5000まで)
電池 CR2x1
デート機能 デート無とデート有の機種選択式

※GR1v 製品取説およびリコーイメージング WEBサイトより一部引用
※LV=ライトバリュー


【特徴】

1.スナップに最適な機動力

GR1シリーズは握りやすく長く持っていても疲れにくい、そんなグリップ形状(グリップ形状が異なるGR10除くがこちらも握りやすい)をしておりスナップ撮影に最適な1台になっております。

実際多くの写真家も使用しており、路上スナップの有名どころだと森山大道さんもかつて使用されておりました。

コンパクトボディのためポケットにも入り、機動力が良く威圧感も少なめ。

スナップシューターと呼ばれるわけですね。


2.高画質な 28mm GR LENS を搭載

「一眼レフの28ミリ交換レンズより軽く、小さくしかも同等以上の描写性能」※リコーHPより引用
とあるように非常に切れのある描写性能のレンズを搭載しております。

非球面レンズを2枚も搭載している4群7枚構成は伊達じゃない。
ちなみにGR IVも構成や配置は異なりますが、レンズ7枚使用だそうな。

限定でライカのスクリューマウント版が発売されるほどの人気もありましたので、ライカ使いの方にも同描写を楽しめる配慮がなされたのも素晴らしいの一言です。

欠点としては開放付近では周辺光量が少し低下するのと、スクリューマウント版では中玉のクモリ、いやバルサム劣化が発生するところでしょうか。

個人的にこのレンズが出すブルーの発色が好みです。


3.フィルムは先に巻上げる方式

GR1シリーズはフィルムを装填すると先に全て巻上を行って、撮影したコマをパトローネに入れていくスタイルを取っています。

フィルム交換後すぐに撮影に臨みたい方にはタイムラグが出来てしまうため、使用に向かないかもしれませんが、先に何枚撮影可能かが分かるため便利な機構だと思っています。

KodakやFUJIFILM製品のフィルムだとパッケージ記載枚数+1は撮影可能です。
もちろん全てではないかもしれませんが、

あと、不注意で裏蓋を開けてしまった場合も撮影したコマはパトローネ内に入っているので守られるのもありがたいところ。

そんなことしねーだろと思っていましたが、実は一回お世話になっております……。


4.絞りダイヤルがイカす

クラシックカメラとレンズの多くが備えているシャッターダイヤルなり絞りダイヤルですが、通常シャッター速度と絞り値の指標を刻印し、そこに墨入れを施して指標値としているものが大半だと思っております。

他にはシャッターダイヤルだと速度値をプリントしたものをダイヤルの上に接着したものとかかな。

ただ、中にはオーバーテクノロジー並に手のかかったことをやり出すところもあるわけで
これである。

絞り指標が浮き上がる仕様となっております。
どんだけお金かかっとんねん。

他に似たような仕様の物だとパッと思いつくのはペンタックス「LX」のシャッター速度ダイヤルでしょうか。

あちらはさらに浮き上がり箇所が多くなるので、芸が細かいです。

ただし純正カスタムでカラーダイヤルに変更すると、平坦なプリント字に変わってしまうので少し寂しくなるんですよね。

それでも、わしのはカラーダイヤルやぞ!と威張りたいんやけどね。

あ、ライカのR4以降のダイヤルも同様でしたかね。

まあ、絞り値で浮き上がってるものは少ないんじゃないかなー。


5.平均測光と中央重点測光の切替が可能

GR1vはモード選択によって平均測光から中央重点測光への切替が可能です。
↑画像が「シングルオートフォーカスモード」ですが、こちらにしたときのみ中央重点測光がLV6以上の時に作動します(もちろんLV6以上かはカメラ判断なので切替わってるかどうかは内部表示ありません)

他のモードでは平均測光となります。

現行時代に販売されていたムック本等を見る限り、「コンタックス T3」「ミノルタ TC-1」「フジフイルム KLASSE 」と比べて平均測光だと1~2段くらいオーバーになる※リバーサル使用時との事でしたが、中央重点測光の場合は同様の露出傾向の様でしたので、リバーサルではシングルオートフォーカスモードがお勧めといったところでしょうか。

逆に言えば、ネガだったら平均測光でええんとちゃう?


6.ストロボのモード切替がスライド式

フィルム全盛期の一般的なコンパクトフィルムカメラは、電源ON時に設定したモードが電源をOFFにすると初期値に戻ってしまうものが多かったように思います。

特にストロボの発行状態はAUTOに戻るものがほとんどで、不意に発行してしまうと雰囲気台無しなこともあります。

そんな中、GR1シリーズはストロボの発行モード切替にスライド式のスイッチを採用しており、物理的にも視覚的にも操作しやすく、OFF状態でも切替可能な便利機能を搭載しております。

GRシリーズの一番優れている機能じゃないかなー


7.マニュアルでISO感度の設定が可能

GR1sまでのGR1シリーズはDXコードでフィルムの感度を読み取る設定となっており、GR21でこちらの機能がつきました。※絞りダイヤルF22の隣に設定ポジション有

フィルム全盛時代はDXコードがないパトローネの方が珍しいくらいで、通常使用では特にマニュアル設定必要なかったんですが、モノクロで増感する時とかは便利な機能になります。

筆者はKodak 400TX(トライX)を1600に増感したりT-MAX P3200を通常の800くらいに設定して使っておりました。

また、当時は400TXの長巻が7,800円くらいで売られていたので、写真屋さんから現像済のパトローネをもらってきてフィルムローダーでカチカチ詰め詰めしておりました。

もちろんのこと、もらえるパトローネも日によって違うので、ISO違いのDXコードになりますがこの機能があれば余裕でした。

まあ今はとんでもない価格なので詰め替えできませんがね……。
現在この機能を活用するのはDXコードのないフィルムの対応や、過度な露出補正でしょうか。


他、GR1sから「オートブラケット」「マニュアルフォーカスモード」がISO感度のマニュアル設定と一緒に追加された機能となりますが、写りに関していえばレンズはGR1sと同一の使用ですので、この機能が必要なければGR1sで十分と言えます。

GR1sについてはデート有・無2台持ちのカメラのナニワのパイセンH氏が以前手掛けておられた作例がイカすこちらの記事をご覧ください。



8.液晶の表示が欠ける

GR1シリーズ(GR10,GR21含む)とR1シリーズも共通で液晶画面の表示が欠ける持病を持っております。
慣れてさえしまえば写りに影響は無いので大丈夫ですが、見栄えは悪いですね。

特にファインダー内のフレーム枠が欠けると、素通しファインダー状態になるので使い辛いです。

修理も日本では絶望的な状態で、海外ではやっているところもあるようですが、詳細不明です。

でも欠けてても不思議なことに慣れてくるんですよね。

あと、機嫌がいいと300回くらい電源ONすると液晶が復活して、OFFにする間は液晶が欠けなく見れます。OFFにすると次回のON時に欠けた状態に復帰します。

可愛いやつだぜ。


ほな、作例いっとこか


作例

プログラムAE
GR1シリーズはプログラム時にGRレンズの一番画質がいいF4~5.6を優先に使う使用になっているとポケットサイズのムック本で読みました。

私はそれを律義に守っております。
※F2.8使用の場合除く

プログラムAE
スペイン・バルセロナ近辺の信号機の絵柄はユーモアあふれる仕様となっております。
この絵柄以外にも多く存在し、観光客を楽しませます。
下に散らばっているお土産は全て1ユーロです。
1ユーロ1ユーロ1ユーロ1ユーロと連呼しながらの販売が魅力です。
1日の食事回数が4~5回くらいの食事文化だからでしょうか。スペインでは朝食は外食で済まされる方が多いようです。
絞り優先AE F2.8使用

使用フィルム
・SUPERIA PREMIUM 400
・FUJICOLOR 100
・FUJIFILM 200
・YES!STAR 200
・FP4 PLUS 125
・DELTA 100


まとめ

高級コンパクトフィルムカメラとして根強い人気を誇る一台。

サブ機で使用していたつもりが、気軽に持ち運べていつでもシャッターを押せるため、気付いたらメイン機なっていたなんてことも可能な機種です。

液晶がウィークポイントですが、全て表示されておりましたら購入検討の一台にどうぞ!


※フィルムのX線検査について
行き、東京(羽田)-ドバイ-スペイン(バルセロナ)で向かいましたが、羽田では目視検査で通過、トランジットでドバイを通過する際にX線検査の計1回

スペイン内
カサ・ミラとサグラダ・ファミリアでのX線検査がございましたが、カサ・ミラの検査官の方がフィルムカメラと知っていたため「良いカメラだな、フィルム入ってるのか?通っていいよ」的な感じで目視で通過、サグラダ・ファミリアでは「この機械のX線はセーフティーだから安心して」と言われて通した計1回

帰り、スペイン(バルセロナ)-ドバイ-東京(羽田)でバルセロナ空港でスペイン語に翻訳した文章を検査官に見せたところ、快く快諾してくれて目視検査、ドバイでは「忙しいから難しい、でもセーフティーだから大丈夫よ」と言われて通した計1回

都合3回

現像結果は大丈夫でした!
皆様ご対応ありがとうございます。

まあ、照射回数によっては影響はあるでしょうね。

以上、またつまらんブログを書いた山下でした。


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