SONY レモン社 横浜店

開放の力を使いこなせ!「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」

今回ご紹介しますのは、こちら。

SEL10028GM

FE100mm F2.8 STF GM OSS

ミノルタAマウントのものなどが有名なSTFレンズ

APDフィルターなるものを搭載したレンズです。

名称や作り方はそれぞれ違いますが、複数のメーカーから同様なレンズが出ています。

どれも「素晴らしいボケ感!描写力!」的な言葉を謳い文句にしており、こちらも同様に
『シャープな描写と息をのむ柔らかなボケ味』を掲げたレンズです。

価格もお手頃(最上位のGMasterにしては!)

描写力も高く(MTF曲線が上に張り付く程!)

ボケ味も素晴らしい(一番の売り文句!)

と夢のようなレンズですね。
夢のようなものには棘が・・・?
そんな事はない?
下の目次からお好きな項目へどうぞ。

【作例】

【注意事項】

【まとめ】


【作例】

レンズ特性についての解説はいったん置いておき、まずは作例をご覧ください。
(※掲載にあたり画質を落としています)
水田

F5.6 SS1/320 ISO200

八景島

F5.6 SS1/100 ISO800

江の島

F5.6 SS1/60 ISO2500

江の島

F5.6 SS 0.8 ISO800

ペリカン

F8 SS1/100 ISO800

ラベンダー

F8 SS1/250 ISO1000

松ぼっくり

F8 SS1/80 ISO1000


APDフィルターの効果により、ざわつきのなく滑らかで均質なボケを実現しています。

また、口径食を徹底して抑えているため、丸ボケが発生するような状況では、端の方までレモン型にならず円形を保つのもこのレンズの特徴のひとつ。

好き嫌いは分かれますが、トリオプランのような輪郭のはっきりしたバブルボケとは異なり滲むような丸ボケになります。

また「マクロ域切り換え機能」を使用すれば最短撮影距離0.57m/最大倍率0.25倍での撮影が可能です。

ホウジャク

F5.6 SS1/500 ISO1600

ウサギ

F5.6 SS1/100 ISO6400

 

【注意事項】

さて皆様、写真下の撮影データを見ていただきました?

開放F2.8のレンズなのにも関わらず、作例がF5.6からしかないの気づかれました?

ISO感度とシャッタースピードで明るさ稼いでるの気づかれました?

夢のような描写を可能にするAPDフィルターとは、凄く簡単に説明すると「中心だけ透明なNDフィルター」になります。

通常のレンズは絞りを開ける(F値が少なくなる)ほど、明るく&ピントの合う範囲が狭くなります。

F値計算に用いられるのは焦点距離÷レンズ有効口径のため、このFE 100mm F2.8 STF GM OSSの場合100㎜÷35.71㎜=2.80...なのでF値は2.8。

しかし、F値計算にレンズ内部の構造や透過率は考慮されません。

(極端な事を言えばレンズ内部に光を透過しない板が入っていたとしても)
そしてレンズ構造や材質の透過率・吸収率。これらを考慮して算出される、実際にセンサーに当たる光量をT値と呼びます。

通常のレンズの場合、F値とT値が大きく違ってしまうことは少ないです。

しかし、NDフィルター(のようなもの)を通過するこのレンズの場合、センサーに当たる光量は他のF2.8レンズの時よりかなり少なくなります。

レンズにも書いてありますがこのレンズのT値は「5.6」 (T=2.8÷√透過率(%)×10)

絞り開放の状態で、ピントの合う範囲(被写界深度)はF2.8相当なのですが、センサーに当たる光量はF5.6相当になってしまうのです。

撮影データもT値準拠になるため、開放で撮影しても絞り5.6として記録されます。

ただ、T値だの透過率だのは覚える必要はなく、STFレンズで撮影&購入の際に知っておかなければならないことはこれだけ。

「開放2.8だけど明るさは5.6くらい!」

そういうことです。

「開放2.8だ!夜でも余裕だ!ノイズ除去作業からは解放だ!!」

と安直な考えで暗い場所で使うと、下のように痛い目を見ることになります。
(各メーカー様の紹介ページに暗いレンズだよと言うことはしっかり書いてありますが……)

みなとみらい

F5.6 SS1/250 ISO25600

クラゲ

F5.6 SS1/125 ISO5000

カメラ側のノイズ低減を「弱」でかけていますが、高感度ノイズが出まくってますね。

夜間や暗い室内で使う際は三脚やストロボ等の光源を使って明るさを稼ぎましょう。

普段、フルオートやプログラムオート・絞り優先モードで撮影してる方はご注意を!
いくら手振れ補正搭載レンズと言っても限度があります。

気づいたらシャッタースピードとISO感度がえげつない数字になっているかもしれません。

まとめ

夢のようなレンズで夢のような描写を描くためには、STFレンズに対する愛情(感性)と、仲良くなる為の時間(理解)が必要になるかもしれません。

単焦点のくせに暗い!ネットで見た写真が撮れない!」などと怒らず、様々な被写体と向き合い、使ってみて下さい。

そうすれば、ソニーさんが謳う「シャープな描写と息をのむ柔らかなボケ味」を、他の単焦点中望遠とは一線を画すその写りを実感できる事と思います。

コスモス

F5.6 SS1/160 ISO400

コスモス

F7.1 SS1/640 ISO100

でも、明るい昼間にお花とかを撮れば「なんか写真がうまくなった気がする!」は手軽に体感できます。

そんな勘違い?で撮影が楽しくなるのも、STFレンズの魅力の一つかもしれません。


レンズ情報

レンズ構成 10群13枚
開放絞り F2.8(T5.6)~F20(T22)
絞り羽根 11枚
外形寸法(㎜) 85.2(最大径)×118.1(長さ)
重量(g) 700

使用機材 ボディ:α7 IV[ILCE-7M4]
レンズ:FE 100mm F2.8 STF GM OSS [SEL100F28GM]



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