ライカ親爺のうんちく(まだまだ)

2017年2月9日

  焦点距離区分

 

 以前、実焦点距離のお話をさせて頂いた。手持ちの書籍に、資料があったので、記載させていただく。

 加工品は公差が決められている。その中でもレンズは、プラスマイナス1/100台の公差で研磨される。貼り合わせレンズは、トータルの公差が決められているが、薄いレンズ同士や厚いもの同士では、公差をオーバーする。その為、厚い物+薄い物で無駄が無いように組み合わせる。それでも、生産したレンズは設計値と異なることが有り、ライカはそれを律儀に表示していた。繰り出し量の異なるヘリコイドを用意して、距離計の基本設計値である51.6ミリの移動量と同等にして、無駄が無いようにしていた。

 レンズ交換可能なC型の時、始めは使用するカメラの番号の下3桁が刻印されたものしか、使えなかった。それはレンズをそのボディに合わせて調整したためで、基準がなかった。それではまずいという事でフランジバックを28.8ミリに設定し、対応レンズでの互換性を維持し、距離計連動カムが付いた時、バラつきを補正して問題の無いシステムが構築された。

距離計カムのあるレンズであれば、互換性は維持されているので、刻印を見つけても気にする必要はない。安心して使って欲しい。

 

エルマー50/3.5              ヘクトール50/2.5                                       48.6     3              50.5     0     

49.6     1              51.0     2

50.5     0              51.3     6

51.0     2             ズミター/ズミタール50/2

51.3     6              51.6     7

51.6     7              51.9     8

51.9     8              52.2     A

 

クセノン/ズマリット50/1.5        エルマー50/3.5(M)

51.1     2              51.3     X

51.32    D              51.6     Y

51.45    G             エルマー50/2.8

50.9     C              51.6     Y

                        51.9     Z

                        52.2     W

朝日ソノラマ刊 中川一夫著 ライカ物語より

 


ライカ親爺のうんちく(その又続き)

2017年1月10日

MLリング
 遥か昔、と言っても20年ぐらい前だろうか、キャノン製ライカスクリューマウント135/3.5(黒鏡筒)をM3で使おうと思い、一緒に国産のリングを買った。その後、レモン社がライカ社との取引を始めた時に純正のリングを買ったのだが、純正リングを使うと無限が出ないことに気付いた。リングを変えて無限が出ないのなら、リングが悪いのが分かったが、理由がわからなかった。
 或る業界関係の方に、リングの作り方をお聞きしたことをふっと思い出した。作り方は(株)コシナのHPに掲載されている“コシナこだわりの理由”をご覧いただきたいが、意外と手をかけて作っている。簡単に言うと①MLリングより大きい真鍮のリングを削って形を作る②クロームメッキを掛ける③レンズ側を基準にボディ側の面を削って厚さを調整するのだが、③の厚さ調整が曲者だ。ライカMマウントとライカスクリューマウントはフランジバックが、27.8ミリ対28.8ミリでスクリューマウントが厚い。レンズ面を基準として削って、1ミリの厚さを出すのだが、それを思い出した。どうやってリングの厚さを測ろうか?ノギスかマイクロゲージを持っていれば楽だが、買うのもばからしい!手元に治工具が無いのに、厚さを調べる為にはどうするか?厚みではなく、高さだ!ブラタモリではないが、段差だ!真鍮の削り出し面とメッキ面との段差を測れば、良い事に気づいた。手元にあったレンズリアキャップではじいてみると音が違う!部分的にではなく、何カ所か計ってみると、持っていた純正と国産では音が違う!高いと音は大きく、高さが低いと大きくない。それで、相対的に厚さが違う事を確認した。
 その後、最初のカメラの師匠(メーカーOB)宅にお邪魔した時、かくかく云々と申し上げたら、マイクロゲージをお持ちという事で、厚みを計らせていただいた。2/100だったか1/100か覚えていないが、純正が厚かった。厚さ確認のアイデアをお話したら、お前よくやるなあ!と呆れられた。それ以降、MLリングでピントが来ないという話は聞いたことが無いので運悪く、はずれを引いたとあきらめた。そのリングはどうしたか覚えていない。
KIPONのMLリングは、真鍮が見えない。作り方が違うのだろう。

img_8407-1

 

見えている真鍮の部分で、リングの厚さの加工を行う。真鍮部分とその外周との高さの差を、音で調べた。


商品レビュー:ニコン AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

2016年12月20日

今回はニコンの大口径単焦点広角レンズ、AF-S NIKKOR 28mm f/1.8Gを使ってみました。
開放F値1.8の大口径で全長もメ0カー公表値80.5mmと、決して小振りなレンズではありませんが、見た目から受ける印象よりもずっと軽量(330g)です。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

広角28mmながらF1.8の大口径と云うことで、それなりにボケが期待できるのですが。ある程度被写体に踏み込まないと中途半端なボケになってしまいがちです。例えばこんな風に・・・

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/3200 ASA200

ジワリジワリとカモメに近づきながら数枚撮影し・・・この距離が限界でした。1mちょい、位です。できれば50cm位には接近したかったのですが。

続きましてはしっかり寄って開放あたりをテスト。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/1250Sec.

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F2.2 1/400Sec.

こちらのサンタさんはちょっとピントがズレてしまいました。顔を狙った筈ですが足の裏に合焦している模様・・・

開放付近は程良く柔らかくなるだろう、とは想像していましたが、この手の大口径レンズは開放時の周辺光量落ちもよく見受けられる傾向です。光量落ちは好みによるとは思いますが・・・

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/4000Sec.

結構大きな光量落ちです。背景にもよりますが、F4程度に絞るとあまり気にならなくなるようです。この時はF3.5でほぼ解消しました。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/5000Sec.

トイカメラ並みに落ちてくれます。D800をトイカメラと呼ぶ勇気はありませんが。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F1.8 1/3200Sec.

背景との距離が大きいもので、何がなんだか判らない位にボケてくれました。

以前、マイクロフォーサーズ用のDGズミルックス15mmF1.7で同じようなシチュエーション・絞り開放で撮影していますが、流石にフルサイズとマイクロフォーサーズの持ち味の差が現れます。DGズミルックス15mmの開放付近では、も少し背景が判別できる程度のボケ方だったように思います。AF-S NIKKOR 28mm f/1.8Gで真似っこしてみると。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F5.6 1/400Sec. 真似っこ

多分これくらいのボケ方だったような気が・・・ただしDGズミルックス15mmではこの程度のボケ方で、ちゃんと周辺光量落ちを見せてくれました。こちらはF5.6と云う事で、すっかり均質な露光になっています。

寄ったりボカしたりばかりなので、今度は広角レンズらしくちょい絞り気味で撮影を。開放付近の何処と無く柔らかい描写からガラリと表情を変えてくれます。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F8 1/500 ちょいと絞ればキリリとします。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F6.3 1/1600Sec. 石壁の質感もしっかり描写。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F5.6 1/1000Sec. 左の船やや手前に合焦

あまり絞り過ぎないF5.6でも被写界深度は十分に深く、合焦位置次第でパンフォーカス的な使い方が可能。遠景正面のビルもしっかり描写してくれます。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

F7.1 1/250Sec. 奥行きのある被写体もしっかり解像。

船体の手前から奥にかけて結構な距離がありますが、全体をしっかりと解像してくれています。ちなみに船名は・・・「飛鳥II」。IIって2回目って意味ですかね?

冒頭でもお話したように、スペックの割には重さが気にならないAF-S NIKKOR 28mm f/1.8G。気軽な散歩でも本気の撮影でも満足させてくれるレンズだと感じます・・・
だがしかし。折角レンズが重くないのに、カメラが重い!

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G
レンズ構成:9群11枚(非球面x2・ナノクリスタルコートあり)
絞り構成:7枚羽 円形絞り
最短撮影距離:0.25m
寸法:φ73×80.5mm(レンズマウント基準面~レンズ先端)
重量:330g
フィルター径:φ67mm

お問合わせはレモン社
又はナニワオンラインまで


ライカ親爺のうんちく(続々の続々)

2016年12月5日

焦点距離

商品に表示されているレンズの焦点距離は、設計上の値と異なる。有名なのは、ライカの標準レンズは設計値51.6ミリ、距離計コンタックスは52ミリが設計値になっており、スクリューマウント時代のキャノンもニコンも、いや他のメーカーも51.6ミリが設計値になっている。ニコンは、51.6ミリでスクリューマウントもSシリーズも作った。その為、被写体深度の深い50ミリ未満のレンズは、コンタックスとニコンSで共用することは可能だが、50ミリ以上に互換性はない。Sシリーズ用望遠レンズの中で、焦点距離が設計値より長い物は鏡筒にCの刻印があり、距離計コンタックスでも使う事が出来る。以前、コシナが生産した、ニコン/コンタックス用レンズは、広角はSCスコパー、50ミリ以上はS***になっている。
ライツ社は、製造時からバラつきを少なくなるように細工をしており、貼り合わせレンズも、設計値になるように薄い物と厚い物を組み合わせている。組立後、設計値にならないことがあり、ヘリコイドのカムの移動量に影響する。その為、それに見合うヘリコイドを作っている。Mマウントで50ミリ以上のレンズの場合、距離目盛の無限遠の横に、縦に小さく2ケタの数字がある。50ミリの場合、22とあれば52.2ミリ、16とあれば51.6ミリになる。スクリューマウントの場合、無限遠ロックボタン受の裏に、アルファベットあるいは数字で書かれている。戦後、ライカのレンズを付けた時と自社のレンズを付けた時、ピントが違う事に気付いた某社の技術者は、何本かのレンズを比べ、ヘリコイドの移動量が異なることに気づき、理由がわかったという。最近の新レンズは、どうかな?と思って見ると、数字が無い!ただし、気になることを発見した。レンズ側のカムの部分が、コロに当たる部分まで黒メッキされており、点が打たれていることに気付いた。ノクチルックス0.95は点1つ、アポズミクロン50は点2つになっている。確か両方ともフローティング機構が入っているので、そこである程度の誤差をカバーしてるのか?その違いを示すための点なのか?謎は深まる!

dsc_4489-1 dsc_4487-1

ズミクロン90㎜。10なので、91ミリ       ズミクロン50㎜。22なので、52,2ミリdsc_4488-1アポズミクロン50ミリのカム。点2つが判る

 


ライカ親爺のうんちく(続続々)

2016年11月22日

改造

 近年、メーカー純正の改造と云うのは極まれである。ニコンD3で内蔵バッファ―増設があり、ニコンD5でカードスロットの変更、マミヤRBで6X8マガジン対応と。マミヤ7Ⅱが出た時に改造サービスが有ったぐらいか。

 オスカーバルナックが、距離計連動のⅡ型を開発するとき、8つの条件を設定しその中に、中に新機構を旧型に組み込んで、容易に改装できる設計でなければいけないという項目を立てた。それは見事に実行され、1型のシリアルナンバーのままで、距離計内蔵となったものを見ることがあり、シンクロ機構が内蔵された3F以後の時代での改造では、シンクロ装置も連動距離計と共に改造を受けるようになり、無論、距離計内蔵機では、シンクロ装置のみの改造も、ウエッツラーのライツ社で受けるようになった。大昔、その話を本で読んだときに、費用がいくら必要だったのか、気になっていた。今と違って、容易に個人での輸出入が出来る時代ではない。答えは、あっけなく見つかった。東京西麻布にあった、ペンタックスギャラリーが発行していたミラーイメージという雑誌に、ライカ特集をした号が有り、最近入手した。主に中川一夫氏が書かれておられ、その分の中に“これらの改造は、外貨の関係でシュミット(当時のライカ輸入代理店。親爺注)では受けてはいなかった”とある。読んだ瞬間、ショックで持っていたビールのジョッキを落とすことはなかったが、あっけない答えだった。確かに、外貨は大蔵省から割り当てのある時代で、今と違って個人での輸出入は不可能、クレジットカードは普及しておらず、消費税の施行前で輸入関税と物品税の時代である。たぶん、シュミットは商品の輸入用の割り当てを貰うので、精いっぱいだったのだろう。考えれば無理!という答えはすぐ出ても良かった。ついつい調べたくなるのはビョーキである。しょうがない。

 70年代初頭に、バルナックタイプの部品の生産は中止され、それ以前に改造受付は終了している。たぶん、世界中にバルナック型の改造に必要な部品は、存在していないであろう。M型の改造は、M1に距離計を載せてM2への改造が出来たと聞くが、親爺は、改造されたものを、見たことが無い。M3の2回巻上を1回巻上に、フレームセレクターレバーの取付け改造の2点もしていたが、この2点の費用は不明である。やはり国内で受けていなかった可能性がある。何か資料をお持ちの方は、お教えいただけると幸いである。


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