横浜店 島です。
やっと涼しくなってきましたね!! お散歩がてらに気軽に写真を撮れる季節が遂にやってきました。
さて、今回レビューするのはcanonのフルサイズミラーレス「EOS RP」です
商品名RPの「P」は、1959年発売のレンジファインダーカメラ・Canon Pの「ポピュレール」からとられているそうです。
高級品であったカメラを一般に普及させる役割を担ったCanon Pのように、こちらのEOS RPは初心者から玄人まで幅広い層にミラーレスカメラを浸透させるのに貢献した、小型軽量フルサイズミラーレスの傑作機と言えます。
2019年の発売から6年が経っているため、中古で8~9万円台とかなりお求めやすいの価格で流通しており、新品で取り寄せても12万円以下。
カメラ店員的にもすごくお客様に勧めやすいカメラです。
今回は、実際にこのRPを使っていきながら、優れている所・気になる所をご紹介してまいります。
【製品としての立ち位置】

EOS RPは、2019年にCanon RFシリーズミラーレスの2機種目として登場したカメラです。
小型軽量の普及機という立ち位置ですが、ポジションが近い後継機のEOS R8が2023年に発売されたのにも関わらず、いまだにEOS RPは現行品で販売されています。
上の写真はEOS RP(左)とEOS R8(右)を並べて撮った2ショット。銘板が無ければ、判別つかないほどそっくりです。
映像エンジンや連写コマ数などでEOS R8のほうがステップアップした機種になりますが、デザイン面で言えばEOS RPで既に完成されていたと言えるでしょう。
中に入っているバッテリーはEOS Kiss X8~10 EOS-Mシリーズなどと同じLP-E17です。
グリップは旧来のKissシリーズと比べるとホールド感はより洗練されていてより手に馴染むように窪みが深くなっています。
どことなく持った時の印象は旧来機だとEOS Kiss Mや他社だとa7Cに似た印象です。
Kissシリーズからフルサイズ機へのステップアップというユーザーのニーズを考えたコンセプトを感じます。
【軽量で、充分な性能】
それでは、こちらのEOS RPで撮った写真をお見せしながら具体的な使い心地を解説してまりましょう。
まず、何よりも魅力なのはその軽さ!
この写真は、50mm F1.8の単焦点レンズをつけて、片手で傘をさしながらもう片方の手でカメラを構え、モニターのタッチ操作でピントを合わせて撮っています。
手軽に片手でこんな感じの前ボケ・後ろボケを作った奥行きのある写真が撮れちゃうのが凄い所!!
ボディ重量わずか485gと軽量なため、手の小さい女性でも扱うことができます。
実際についこないだ、友達のLUMIXユーザーの女性に「軽くて性能の良いカメラある?」と聞かれたので試しに触ってみてもらったところ、あまりの軽量さに驚いていました。
手軽で使いやすいカメラでありながら、フルサイズで約2620万画素のセンサーを搭載しているため撮れる写真ももちろん綺麗です。
あくまで個人的な好みに基づく感想ですが、明暗のコントラストや発色の鮮やかさなどが良く、JPEG撮って出しの画の良さは数あるメーカーの中でも指折りだと感じます。
以前に比べればRFマウントレンズの種類も増えてきましたし、マウントアダプターを使えば一眼レフ用のEFマウントレンズも使用可能で、レンズの選択肢が豊富なのも魅力です。
「安くても、写りに妥協はしたくない」
そんな思いでカメラを探している方には、まさしくニーズにぴったりなカメラであると思います。
【UI・操作性について】
カメラに不慣れな初心者の方だとスマホで写真を撮る感覚の方が慣れている人が殆どだと思います。
その点で言えば、EOS RP背面モニターのタッチパネル操作はスマホでの撮影体験に近く、普段カメラをお使いでない人でも親しみやすいUIであると言います。
タッチパネルでのAF操作はマクロ撮影やテーブルフォトといった撮影に非常に相性が良く、手元を素早く撮りたいときなどに、キビキビと動いてくれて大変快適です。試しにRF24/1.8 macroを使ってマクロ撮影でピント精度を見てみましょう。被写体物の400という字の真ん中の「0」にスポットAFして撮影してみます。
トンと軽くモニターを指で触ってフォーカスの狙いをつけて、そのままシャッターを落とします。絞りは少し絞ってF4ほどで撮影しましたが、期待通りの位置にピントが合ってくれました。
通常使用にあたってまったく問題ないフォーカス精度だと言えるでしょう。
ただし、物理ボタンが少なく主にタッチパネルで操作するUIとなっていることには不便な点もあります。
物理ボタンが少ないため、EVFを覗きながらホワイトバランスやISO感度の設定変更することができず、都度ファインダーから目を離さないといけないため少しテンポが悪くなります。
全体的にモニタータッチ操作に頼りすぎな操作系になっていて、かつての中級クラスのEOS にあったような、どこのボタンを押せばいいか一目でわかる設計ではありません。
スピーディーに設定を変えながら撮影していくのにはあまり向いていないように感じますので、そういう撮影の場面ではちょっと注意が必要でしょう。
【恒例のポートレート作例】
続いて、私のブログでは毎回恒例のポートレート作例をお見せしながら所感を語って参りましょう。
今回のポートレート作例はEF50mm F1.8 STMにコントロールリングアダプターを取り付けての作例です。
中古総額トータル10万円前後のお手軽構成での作例になります。
やっぱりキヤノンのカメラはポートレートに向いていますね~。
RAW現像をしなくてもデフォルトのJPEG撮って出しでの作例でここまでの発色とスキントーンの美しさを出してくるのは流石と言わざるを得ません。
撮影日は台風が接近していて都内はどんよりした天気だったもので背景の抜けが青空ならかなりかっこよかった、惜しいカットです。
EOS RPのバリアングルモニターを駆使してウエストレベルにカメラを構えて撮影しましたが、モデルさんの美しいスタイルをしっかり強調できました。
最後にちょいと手間をかけて、RAW現像+クリップオンストロボ+レタッチでの作例です。
6年前の機種でもここまで満足のいく写真が撮れる、ということで改めてEOS RPをおすすめしたい気持ちを強く抱きました。
ただ、ポートレートを撮っていて気になったのがバッテリーが旧式であまり容量が大きくないこと。
Kissシリーズにも使われていた既製品のバッテリー・LP-E17を続投させているのはよいのですが、ユーザーからは発売当初から厳しい意見も多く、体感でもかなりバッテリーの減りは早いなと感じました。
これはミラーレス機の宿命で、EVFとモニターを常時動かしているため電力消費が激しく、同じバッテリーを使っていてもKissX8~10に比べて持久力が落ちているのです。
体感として私が長年使ってきた昔のSONY α7とかと同じぐらい減りが早いです。
USBケーブルでの電力供給も「給電」はできず「充電」のみ対応ですので、撮影の合間にモバイルバッテリーで充電するなどの工夫は必要でしょう。
【学生さんにもおすすめしやすいカメラ】
流石に発売から時間が経ってることもあり、目立ったカタログスペック的な真新しさはないのですが、基本性能はしっかりとして「堅実」な立ち位置のカメラです。
個人的な感想を述べるならば……
私は芸大出身の人間ですが、自分が学生の頃にこのカメラがあればすごく軽くて助かったのにな……と思います。
必要最低限のスペックを持ちながら手頃な価格で入手できるこのEOS RP、もしもいま自分が学生カメラマンならばかなり魅力的なカメラだろうなーという所感があります。
また、何かとレンズをサードパーティで揃えるとなると、マイナーなマウントを選ぶのも選択肢として憚れるわけです。
そして、高校の部活動などで学校が貸し出しているカメラはKISSシリーズがまだまだ多いですから、EOSというブランド力もあります。
こうした理由から、店頭で学生のお客様に相談された際にはよくこのEOS RPおすすめしています。
※もちろん、お客様が一番ビビッと来たカメラが最適解だと思うので、最初は見た目やデザインで選んでもいいと思うのであくまで一つの選択肢として紹介しています。

そのぶん小型軽量で取り回しのいい設計となっていますので、「気軽にカメラを持ちだして写真を撮りたい」という使い方であればそこまで気にならないでしょう。
ぜひいろんな方に「写真を撮る楽しさ」を味わう第一歩として使ってみていただきたいカメラです。
ナニワグループ店頭およびオンラインショップにて在庫多数ございますので、ぜひご検討ください!