「SIGMA fp」がついに生産終了になるそうです。
ええ、お金があれば私も欲しいです。
欲しいんですが、Foveonフルサイズが出るまで待つことに決めております。
レモン社銀座店の山下です。
今日も誰も得しない、そんなブログをお届けいたします。
【SIGMA DP2 Merrill】
通常のデジタルカメラが持つイメージセンサーとは違った構造のCMOSセンサー「Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー」※1、を搭載した今回のレビュー機「DP2 Merrill」。
※1 以下、Foveonセンサー
現状、このイメージセンサーはSIGMAのデジタルカメラのみに搭載されており、孤高の存在となっております。
特徴としては、「R: 100%」「G: 100%」「B: 100%」と各色3層に分かれたセンサーを、原材料とされるシリコンの特性を生かして光を垂直方向に取り込むことにより、カラーフィルムと同じメカニズムを持ったセンサーとなっているところ。
うむ、書いてて文章の意味が全くわからんぞ。
なので、詳しくはSIGMAさんのこちらとこちらをご覧ください。
とりあえず言いたいのは、すげえセンサー積んではるってことやな。
では次に、そんな「Foveon センサー」搭載「DP2 Merrill」の個人的メリットとデメリットをご紹介。
【メリット】
・コンパクトながら解像感の高い画像を生成
APS-Cサイズに準ずる、最大4800x3200x3層=約46MP(4600万画素)の画像を生成するDP2 MerrillのFoveon センサー。
単体で15MPのセンサーが3層掛け合わせられると、非常に高解像な画像を生成します。
ちなみに販売された当時(2012年)では16~18MPくらいの画素数のDSLR(デジタル一眼レフ)が一般的で、46MPオーバーというのは半端ない高画素機でした。
少し前に同社が販売していた「SD1(Merrillじゃない方)」の当初家電量販店販売価格、70万円越えを見た時は目を疑いました。
そんな約46MPが当時10万少し(最終的に5万くらいだったかな)で買え、センサーに最適化された換算約45mm相当の単焦点レンズを備えた本機は相当魅力的でございました(兄弟機も含めてね)
ポケットにはちょっと入らないけどコンパクトで高画質。
拡大しても甘さを感じさせないキレの良さはFoveonセンサー(と搭載レンズ)の魅力の一つです。
・ちょうどいい画角の単焦点
先ほども書きましたが、35mm判換算で約45mm相当の単焦点レンズを搭載(実焦点距離は30mm)
6 群 8枚(内、グラスモールド非球面レンズ1枚、高屈折率ガラスを3枚採用)※2のキレっキレレンズです。
※2 SIGMA HPより
45mmの画角は日本では割と丁度良く、海外の開けた場所では広角的に近い使い方ができて使いやすいです。
最短約28cmとテーブルフォトにもご使用可能かと。
・アダプター無しでもフィルター装着が可能
コンパクトデジタルカメラの多くがレンズバリアを備えており、レンズキャップが不要となっております。
その代わり、アダプターを付けないとフィルター使用が出来ない事もままあります。
DP2 Merrillではレンズキャップが必要ですが、代わりにフィルターの溝が切ってありますので、通常の49mmフィルター使用が可能です。
NDフィルター等のフィルターワークもこなしますぜ。
【デメリット】
・ISO感度を上げるとノイズが大変
デジタルカメラの利点は何ですか?と問われた際、一般的な回答は以下のようなものが多いかと思います。
・撮影した写真を液晶画面で見られる(一部機種除く)
・現像代がかからない
・ISO感度を変えられる
ですが、その中の一つ、ISO感度を本機で上げると大変なことになります。
重要なことなので2回言いますと、大変なことになります。
輝度ノイズもそうですが、ISO400以降は明らかにカラーノイズが増大する傾向にあります。
APS-Cに近いやや大型のセンサーですが、3層もあるからなのでしょうか。
画像はISO1600のものです
「使えるのはISO200まで、それ以上は使わない」という声も多いようですが、個人的にはISO800くらいまで上げて使うときもあります。
これはフィルムカメラだと思い込んで使うのがストレスフリーかもしれませんね。
・バッテリーが持たない
SIGMA公式HPのDP2 Merrillの仕様欄に撮影可能枚数が載っておりますが、97枚です。
3層の処理に体感7秒ほど時間もかかりますが、バッテリーの消費ももの凄いです。
バッテリー劣化していくとさらに撮影枚数が減り、私の個体は74枚ほどでバッテリーを変えろという表示が出て参ります。
裏技でも何でもありませんが、表示が出たら電源を切り、また立ち上げるを2~3回繰り返すと2枚くらい撮れます。
バッテリー変えた方が早いですけどね。
・使い込むとダイヤルが滑る
使っていくと劣化でメイン電子ダイヤルの反応が鈍くなる時が有ります。こちらを業界用語(?)で”滑る”と言うとか言わないとか。
頻繁に使う箇所のため、中古で買われる際はこちらが正常かどうかご確認下さい。
・専用のRAW現像ソフトの動作が重い
Foveonセンサーの記録RAWフォーマット「X3F」ファイルは、専用RAW現像ソフト
SPP(SIGMA Photo Pro)での現像が必要となります。
こちらの処理が結構重く、処理中に固まることが幾度かあります。
他にもX3Fファイルをサポートしているソフトもあるようですが、もっと使用できるソフトが出てほしいですね。
ただしSPPのモノクロームモードは大変すばらしいので、無理してでも使ってほしい機能の一つです。
作例(オールJPEG)
海の状況がビミョーに悪く上陸がかなわなかった端島(軍艦島)。
日曜ドラマ「海に眠るダイヤモンド」を見ておりましたが、上陸してみたかったですね。
スペインには飛行機雲と鳩が沢山発生いたします。
中央の点はセンサーダストだと思うのですが、他のカットでは見当たらず。ダストなのか模様なのかモヤモヤがつきません。
レモンの石鹸5.5ユーロなり
スペインのステンドグラスは非常に美しく、細かなところまで模様があります。
※絞り優先AE F2.8~8の間で使用
まとめ
万人受けはしない、扱い難いが出てくる画像は一級品。
そんな個性あふれるFoveon搭載機所はいかがでしょうか?
あと、DP Merrill シリーズには社外製グリップの「リチャードフラニエック」のグリップがおすすめやで。