皆さま こんにちは。ナニワグループ 猫写真担当 見崎です。
全国的に猛暑日が続いていますが、皆さまの体調はいかかでしょうか。
天気予報の「最高気温38-39度」に、ソフトクリームを買ってしまうそうになる甘い筆者です。
さて、突然ですが皆さま、パンケーキはお好きですか? 筆者はシロノワール派で、食べられない方のパンケーキは、コシナ製が大好きです。
当ブログの読者の皆様なら、ピンとくるパンケーキ。。。
今回は、コシナ製フォクトレンダー 一眼レフ用交換レンズの黎明期をささえた名パンケーキレンズVoigtlander ULTRON 40mm F2 Aspherical SLを携えて動物写真家・岩合光昭さんが訪れたロケ地を、筆者も訪ねてみました。
愛しの猫たちにモデルになってもらえたので、猫作例と併せてご紹介していきましょう。
【コシナ製フォクトレンダーブランドの黎明期について】

同時に交換レンズとして「SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5」「SNAPSHOT SKOPAR 25mm F4」も発売されます。
以前のコシナ製品は、「Nikon FM10」や「OLYMPUS OM2000」などOEM製品を得意とするメーカーでした。
ライカスクリューマウント交換レンズが新品で入手できることもあって、従来の「ライカIg」などのバルナック型ライカ(ライカスクリューマウント用カメラ)のユーザーにも受け入れられました。
翌年の平成12年(2000年)には、「BESSA-L」に距離連動計を搭載したフィルムカメラ「BESSA-R」も発売されます。
「ニコン S3 復刻版」「コニカ ヘキサーRF」「安原一式」などと発売時期が重なっていたので、レンジファインダーカメラが見直されるきっかけにもなりました。
【発売は平成14年(2002年)】
商業的に大成功となった「BESSAシリーズ」に引き続き、フォクトレンダーブランドの一眼レフマウント用 交換レンズも登場しました。【Voigtlander ULTRON 40mm F2 SL】は平成14年に発売開始 マウントは、オリンパスOM・ニコンF・ミノルタMD・キヤノンFD・ペンタックスK・M42・ヤシカ/コンタックスが用意されました。
その前後に発売されたレンズとしては、以下のようなラインナップが挙げられます。
■Voigtlander ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6
■Voigtlander Super-Wide Heliar 15mm F4.5
■Voigtlander COLOR-HELIAR 75mm F2.5
■Voigtlander APO-LANTHAR 90mm F3.5 SL Close Focus
■Voigtlander Macro APO Lanthar 125mm F2.5
■Voigtlander APO-LANTHAR 180mm F4 SL Close Focus
カメラメーカーの純正レンズでは揃えられないユニークな焦点距離・マクロ機能付で、撮影趣味層には人気がありました。
【変形ダブルガウス型の高画質レンズ】
前方から凸レンズ、凹レンズ、凹レンズ凹凸接合レンズ、凸レンズの5群6枚で出来ています。第5群(最後尾)には非球面レンズを採用しているので、当時としては新世代レンズとして登場しています。
また絞り羽根は贅沢に9枚も使用しているので癖のない柔らかいボケ味が特長です。
なお、今回、猫撮影にて使用したレンズには、内部に強いクモリが発生しているため、本来の高性能な描写をお届けできない点はお許しください。
【高級感のある金属鏡筒】
1990年代のサードパーティー製交換レンズと言えば、「鏡筒はエンジニアプラスチック」「ピント操作部はラバーゴム」で価格競争を重視したつくりで、今では中古カメラ店ではジャンクカメラコーナーの定番商品の印象が強いです。当時、OEM製品を主体としていたコシナが、ニコンAi-SやキヤノンFDレンズに負けない「所有感」「操作性」ある製品を出してきたことに筆者は驚いた記憶がありました。
今では、TTArtisan・KAMLANなどの中華製ブランドの金属製レンズが格安で入手できます。
しかし、工作精度や塗装の質感まで判断すれば、10年20年後に残したくなるレンズは、フォクトレンダーブランドになるでしょう。
【50mmレンズユーザーには新鮮な視覚】
焦点距離50mmレンズの場合、被写体をメインとした構図を考えやすいですが、40mmレンズですと、立ち位置を少し移動させるだけで被写体と背景の大きさをバランス良く配置できるレンズです。焦点距離「ミリ数」だとどの程度の差があるかわかりにくいので、対角画角で比較すれば、「50mm/対角画角47°」「40mm/対角画角57°」と「+10°」の差があります。
テーブルフォトであれば、大皿の料理を50mmだと、お皿が切れてしまいそうな構図ですが、40mmであれば、大皿1枚は構図に収まる感覚です。
【発売当時の競合製品】
フィルム消費量がピークを迎える平成中期(2000年前後)は、フィルム一眼レフの製品もまだまだ選択肢がありました。コシナ・フォクトレンダーに限らず、カメラメーカーからも、「小型軽量・準標準レンズ」も製品化されていました。
■京セラ Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8 /レンズ構成:3群4枚 最短撮影距離:60cm
■ペンタックス smc PENTAX FA 43mmF1.9 Limited /レンズ構成:6群7枚 最短撮影距離:45cm
■ニコン AI Nikkor 45mm F2.8P/レンズ構成:3群4枚 最短撮影距離:45cm
■コシナ Voigtlander ULTRON 40mm F2 SL/レンズ構成:5群6枚 最短撮影距離:40cm
いずれの交換レンズも、現在の中古カメラ市場では、人気品薄の製品ばかりです。
特に、フルサイズミラーレスカメラであれば、マウントアダプター併用で、メーカー問わず様々な交換レンズで撮影できるので、発売当初よりも、生産中止になった今の方が、需要は高まっています。
【最後に】
店頭でよく売れるオールドレンズと言えば、キヤノンFD・ニコンAi・ペンタックスM42・ミノルタMDなど40年以上経過したシリーズが思い浮かびます。しかしながら、コシナのフォクトレンダーブランド 交換レンズも登場して25年を迎える製品が現れるようになり、オールドレンズの仲間入りをさせても良さそうです。
年式の高い交換レンズには、レンズ内くもり・ピントリングの柔らかさ・絞り羽根の開閉・マウントの摩耗など確認すべき事柄が多くあります。
カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラでは、購入前に実際に操作していただき、納得していただいてから、お買い物ができます。
メーカーホームページでも載っていない旧式のレンズでもお調べしますので、皆さまのご来店をお待ち申し上げます。
■撮影協力してくれた猫さん
ジャスミンちゃん シマ子ちゃん ピョン君 ボブ君 ハルちゃん 小春くん セナちゃん ラッキーくん テンちゃん
※飼い主の許可を得て、猫を撮影