コラム カメラのナニワ 西梅田店

【コラム】ニコン非AIレンズが装着できないボディについて【Fマウントって不変じゃないの】

こんにちは、カメラのナニワ西梅田店です。

今回は「不変」と言われているニコンFマウントについて少しお話したいと思います。

ニコンFマウント、確かに「マウント形状」は不変なのですが、「周囲の露出計連動機構など」は時代に合わせて変化を続けております。

その中でもAF化以上に大きかった大改編「AI化」について取り上げます。

 

〇ニコン非AIレンズが取り付けできないボディについて

まず、ニコン非AIレンズはAIボディのごく一部の機種を除いて装着できないと思ってください。

逆に非AIボディはAI以降のレンズでも「絞りリングと連動爪(通称カニ爪)」が備わっていれば装着も露出計の制御も可能です(露出計さえ生きていればですが・・・)

 

○ニコンFマウントレンズの系譜  

  オートニッコール⇒ ニューニッコール、まずここまでが非AIレンズ

 そしてAIニッコール⇒ AI-S(シリーズEやAI-Pも)⇒AiAFニッコール(AiAF-I,AiAF-Sも)ここまでがAIレンズになります。
この後AF-G、AF-E、AF-Pと絞りリング無しのレンズと変化していきます。
上の枠に当てはまらないところでGNニッコール、PCニッコール、レフレックスニッコールなどがありますが今回は割愛させて頂きます・・・

                                                                                                                                                                                      〇カメラの露出計に絞り値を伝える方法 

 

上の写真の様にレンズのf5.6の位置に付いている金属の爪(通称カニ爪)にボディの棒を引っかけて絞りの位置を露出計に伝える為の露出計連動ピンを備えたものが非AIタイプ。

当初はレンズとカメラ、またFシリーズではファインダや連動露出計を組む度に開放F値の手動設定(カメラ側などの使用フイルムASA値とレンズの開放値合わせ)が必要だったのですが、当時はそれでも絞りだけでなくシャッタースピードと連動するだけで革新的な機構。

しかし、その後登場した・・・

「完全自動開放TTL測光」が情勢を変えてしまいました。

後発メーカーや、先発していたメーカーでもマウント規格変更や新規格の導入などで、レンズの交換だけで何の設定もいらずに開放測光が出来る、更に技術革新で「小型軽量」なモデルやAEの搭載といった自動化されたモデルも続々と登場して来ました。
中でも「今まで散々やられてた分絶対抜かして見せる!!プロユースも取る!!」と鼻息荒かったキヤノンと「ハーフ判ではもうダメ!これからは小型軽量の35mmを新規格で!」と180度方向転換したオリンパス(というかチーム米谷)と「M42ではもう限界!」とマウント規格変更を行ったペンタックスの技術革新の勢いは凄いものがありました。

ただ、ニコンはこの「カニ爪」で先行した為少し苦労をする事になります。それは・・・

「カニ爪がf5.6の位置についている!!」

そう・・・開放値f1.4や2のレンズでもここから規格や仕様の変更をしないとレンズ個々の開放値が伝達出来ない・・・。

そこで考え抜いたニコン、FTn登場時に開発、搭載した「レンズを最小絞りに回してから開放側に回す作業をするだけでレンズの開放値入力が出来る通称『カニ爪ガチャガチャ』仕様」に改善されたのですが、まだまだ「ガチャガチャ」や「レンズ着脱時にはf5.6にしておかないといけない」と「完全自動」とは言えない手間がかかる機構を後継機のF2世代になってからも数年間続ける結果に・・・。

もちろんニコンも何もしていなかったわけでなく「何とかレンズの脱着とピント合わせ以外手間イラズにならないものか、Fマウントのままで!」と苦心の結果登場したのが

「AI方式  」

レンズの絞りリングを短くした上で、新たに「露出計連動ガイド」部分を設け、ボディ側のレバーに引っかかるようにし露出計と連動するようにした方式、しかも「ガチャガチャ」などの手間なくAI化されているレンズならどの絞り値でもそのまま露出計が連動すると革新的な改変。
この時の「Fマウント規格変更をせずに新技術を導入出来るまで待とう!」という姿勢があったからこそ他社が規格変更や新規格導入を図る中「カニ爪ガチャガチャ」を続け、後のAF化の時にもライバル達がマウント変更をする中

「マウント変えてニコンユーザーが喜ぶのか」

というスタンスを貫き通した姿勢が今でも「Fマウントは不変」と呼ばれる所なのでしょう(その裏には血のにじむ様な技術陣の奮闘も多かったそうですが・・・)。
ん?1マウントとZマウント・・・あれは「Fマウントで実現不可能な事をやろう」という事で登場したので、Sマウントの後にFマウントが登場したのと同じかと・・・

ちょっと脱線してしまいましたが、先述の通り、Fマウント規格は変えず、非AIレンズでも絞りリングの交換のみ(交換手数料は部品代程度の少額ながらかかったのですが、無料点検やクリーニングもしてくれていたそうなのでかなりオトクだったかも)でAI方式レンズとして使えるようにしました。
また非AIからAIへの過渡期のモデル(後述)を購入した際には手持ちの非AIレンズを2本まで無償でAIタイプの絞りリングに交換するというサービスも行っており、それを施されたレンズが後に「AI改、AI改造レンズ」と呼ばれております。
このAI改造レンズ結構見かけますので、相当のニコンユーザーがこの改造されたのでしょう。

今ではこのサービス、ニコンでは終了しているのですが、時々非AIレンズの絞りリングを削ってAI改造しているものも見かけます・・・純正改造との見分け方は下の写真のAIタイプレンズの様に絞りの文字列が大小2列になったものが純正改造品です(AI機では光学式の絞り値読み取り窓が備わったモデルが多く、その読み取り用の小文字です)

 

左がAI50ミリF1.4S。右がオートニッコール50ミリF1.4非AI(未改造)レンズ。

AI50ミリの鏡筒がマウント面までで、写真ではf8の位置から最小絞り側に突起(露出計連動ガイドと呼びます)があるのに対し非AIレンズは鏡筒がマウント面を覆ってさらに長くなっています。
また「ただ単に突起を付けた」だけでなく非AIボディとの連動を考慮し、AIレンズやAI改造レンズではガイドの部分を残して短くしたという点。
よく見て頂くと非AIレンズのカニ爪の向きが「レンズ側(前玉方向)」に向いてるのに対してAIレンズでは「ボディ側(後玉方向)」に向いているというのが見て頂けるでしょう。

後、このガイドの部分はレンズの開放値によって位置が変わります。

 

ボディのマウント周りに突起(これを露出計連動レバーと呼びます)の付いたリングがあり、レンズの露出計連動ガイドにこのレバーを引っかけるようにして絞りの位置をカメラの露出計に伝えます。

 

 非AIレンズをAIボディに装着する場合には、このレバーの手前にあります小さなボタン(連動レバー解除ボタンと呼びます)を押してレバーを起こすと装着できるようになります。

                                                                                                                                                                                                    

このレバーを起こさないと非AIレンズの場合絞りリングがぶつかって装着できません。

 

写真のボディはニコンFE(1978年発売)。他に1977年発売のニコマートFT3、ニコンEL2のニコマート系統とFMの非AIからAIへの過渡期のボディ、プロ仕様機のF3とF4がこのレバー解除ボタンを採用しています。
後、デジタル機でも唯一Dfは解除ボタンは無いですがレバーを起こすことが出来ます。
ちなみにAI方式を採用したF2フォトミックA、ASファインダはAI連動ピンを上部に押し込み格納、ロックする事で非AIレンズの装着が可能になります。

ちなみにF2フォトミックAファインダ(ASも同じです)でのレバー解除方法は

 

 

ただ、この跳ね上げをした際には開放測光は出来ず、絞り込み測光になります(Dfは絞り込み測光に対応していないので、少々ややこしい操作になりますが・・・)

 

〇露出計連動レバーについて 

                                                                                 

写真はFM2/Tの露出計連動レバーです。レバー解除ボタンのような凝ったつくりではなくプラスチックで成型され、突起部をはねあげることができなくなっています。このレバーを採用したのは1980年に発売したEMが最初でしたが1982年発売のFMの後継機種FM2に採用されて以降、露出計連動レバーはフラッグシップ機F4をのぞいてこのプラスチック製になっています。このプラスチックの突起部が非AIレンズの絞りリングとぶつかって取り付けることができなくなっています。

 

 

              〇最小絞り設定警告レバーについて  

 

カメラのマウントを正面から見て左下、8時の方向(赤丸部分)に「最小絞り設定警告レバー」という露出計連動レバーと同じくらいの大きさの突起があります。
露出計連動レバーと同じように引っかけて設定するタイプとボタン式で押し込むタイプと2種あるようですが、引っかけるタイプのカメラには非AIレンズはAIボディ同様に絞りリングとぶつかって取り付けできませんのでご注意ください。
(主な機種としては露出計連動レバーを備えていないAF機、デジタル機が該当します)

 

  〇確認事項                                                                                                

そのレンズが非AIレンズかどうかの確認。

純正、非純正含め非AIレンズはマニュアルフォーカスのレンズに限られます。
最初の写真の左側のレンズのように絞りリングに大小2つの絞り値があればAIレンズもしくはAI改造レンズ、右側のレンズのように絞りリングに切取り部(突起部)がなく面一(つらいち)であれば非AIレンズと思ってよろしいかと思います。

その際に試しに付けるボディはFかF2アイレベルあるいはF2フォトミック、つまり露出計連動レバーのないマニュアル機が無難に思われます。
また、レバーをはねあげられる機種でも焦点距離がmm表記でなくcm表記の一部非AIレンズなど装着できないレンズがあります(ややこしいのが、cm表記でも装着可能レンズがあるという所で、見分け方ですが、絞りリング部分の長さの違いがポイントで「長いのが」装着不可なものだったとか・・・「ニコンF」しかFマウント機が存在していなかった頃にあった仕様だそうです)

何よりも「装着しようとして当たる様な感触や引っかかる様な抵抗を感じたら動作を止めてくださるようお願いいたします。」
無理に装着したら「爪が壊れたり最悪レンズがボディから外れなくなります」

もちろん、これから「このタイプのレンズと使ってみたいな」や「古いニコンのレンズが出て来たけど使えるかな」とかあればいつでもナニワグループ各店中古カメラ取扱い店にお越し下さい。

ご相談だけ「大歓迎です!」

 

〇追伸                                                                                                                     

ニコンのサービスセンターでフィルムカメラのF5、F6の露出計連動レバーを非AIレンズが装着できるように跳ね上げるタイプに交換する改造を現在でも受け付けております。費用はF5が税込8,640円、F6が税込12,960円で、預かり期間は通常の修理扱いで約2週間だそうです(知識として持っていたのですが、念の為このページ作成時にニコン大阪サービスセンターへ直接電話をし確認しました。)

 

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