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「レンズの立体感描写 ―後編― 」

レンズの立体感描写 ―前編―

 

早速ですが、前回レンズにの性能には「立体的に描写出来る能力(性能)」が大事な要素である、と述べさせて頂きました。

そのレンズの諧調再現性が豊か否かで、撮った物が立体的に再現されたり、そうでなかったりすることが有るということでした。

さて、私は過去にこの立体的な写真を見て、驚かされたことがありました。

それは、ある風景写真家の先生のアトリエを訪ねた時の事でした。ドアを開けて4メートルほど奥の正面の壁に、一輪の大きな薔薇が「有った」のです。本物の見事な薔薇だと瞬間感じました。ですが…花自体が大きすぎる…と我に返ったのです。

そうです。薔薇の写真が壁に掛けられていたのです。てっきり壁に穿たれた花瓶置き用の窪みに、本物の花があると勘違いしたのです。

それほどまでに立体的に、生々しく撮られていたのです。

勘違いしたことに驚いてしまったのです。

そんな写真が撮れるものなんだと。そして、何が本物たらしめているのか観察すると、陰影の描写の自然さだと気付いたわけです。その薔薇の花弁や茎はトーンがとても豊富に描かれていました。一二歩下がって写真を改めてみると、生々しいほどの現実感をもって、そのものが存在しているかのようでした。

 

 いったいどんなレンズで撮影したものなんだろう。

 作者に尋ねると、「コンタックスマウントのツァイスレンズ」であると分かりました。先生はこの立体感が出るので、ツァイスを使用されているとのことでした。そうです、以前「ツァイスへの憧憬」で書かせて頂いた、あのツァイスだったのです。

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