こんにちは、鹿児島天文館店の吉冨です。
今回は、軽量コンパクトながら美しいボケ味と高い描写力を兼ね備えた中望遠単焦点レンズ【Sony FE 85mm F1.8】をご紹介します。
このレビューブログでは、日常のスナップや風景撮影での使い勝手に注目しながら、外観・操作性から描写性能までじっくりご紹介していきます!
【主なスペック】
項目 | 内容 |
---|---|
焦点距離 | 85mm(フルサイズ対応) |
開放F値 | F1.8 |
最短撮影距離 | 約0.8m |
最大撮影倍率 | 約0.13倍 |
フィルター径 | 67mm |
サイズ | 約78mm(最大径)×82mm |
重量 | 約371g |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
その他機能 | フォーカスホールドボタン、AF/MF切替スイッチ |
重さはわずか約371g。缶コーヒー2本分ほどの軽さで、長時間の撮影や持ち歩きでも疲れにくいのが魅力です。
サイズもコンパクトで、カメラバッグの中でもかさばらず、気軽に持ち出せる中望遠レンズとして重宝します。
また、防塵・防滴に配慮した設計が施されており、急な雨や風のある日でも安心して撮影に集中できます。
外観はシンプルながら質感が高く、フォーカスリングやボタン類の操作性も良好。
持ち歩きやすさと写りの良さを両立した、実用性の高い中望遠レンズです。
レンズ側面には、AFとMFを瞬時に切り替えられる「フォーカスモードスイッチ」と、ピント位置を固定する「フォーカスホールドボタン」が搭載されています。
ピントリングは幅広で操作しやすく、開放F1.8の浅い被写界深度でも、細かいピント合わせがしやすい設計です。
また、フォーカスホールドボタンには、フォーカスロック以外のカスタム機能を割り当てることも可能。
自分の撮影スタイルに合わせて、よく使う操作を割り振っておけば、まるでFnボタンがひとつ増えたような感覚で使えます。
【実写のうえ使用感をレビュー】
[設定 : ISO-400 F1.8 1/1600秒]
[設定 : ISO-400 F2.2 1/1000秒]
逆光性能テストでは、撮影中にごくまれに紫色のゴーストが現れる場面がありましたが、フードの使用や構図の工夫によって、ほとんど抑えることができました。
フレアに関しては、光の入り方によっては一部がやや滲んで白飛びすることもありますが、画面全体のコントラストはしっかり保たれており、描写が眠くなるような印象はありません。
むしろ、光がやわらかくにじむことで、雰囲気のある印象的な仕上がりになるシーンも多く見られました。
[設定 : ISO-400 F2.8 1/1000秒]
[設定 : ISO-400 F1.8 1/2000秒]
最短撮影距離は80cm、最大撮影倍率は0.13倍。
85mmレンズとしては標準的なスペックで、被写体とはやや距離を取って撮影するスタイルが求められますが、そのぶん背景を大きくぼかしやすく、立体感のある印象的な一枚に仕上げやすくなっています。
作例写真のような小さな花やちょっとした被写体でも、間延びすることなく自然な立体感で写し取ってくれます。
絞り開放でもピント面はシャープに解像しながら、ボケは硬くなりすぎず、柔らかさの中に芯のある描写が印象的です。
[設定 : ISO-400 F11 1/200秒]
[設定 : ISO-400 F8 1/5000秒]
遠景をF8以上に絞って撮影した作例です。中心部はもちろん、周辺部までしっかりと解像しており、細かな建物の輪郭や窓枠までくっきりと描写されています。
中望遠レンズながら風景撮影にも十分対応できる性能で、街の奥行きや空気感を引き締まった描写で捉えることができました。
ポートレートのイメージが強い中望遠ですが、風景撮影でも十分に実力を発揮してくれます。
[設定 : ISO-400 F1.8 1/2000秒]
点光源のボケについてですが、このレンズはフィルター径67mmと比較的コンパクトな設計になっており、携帯性の良さが大きな魅力です。
その一方で、絞り開放での撮影では、やや口径食の影響が出ることがあります。特に背景に点光源があるシーンでは、ボケの輪郭がややラグビーボール型になる傾向が見られました。
ただし、F4〜F5.6あたりまで少し絞るだけで、口径食の影響はだいぶ改善され、ボケの輪郭も自然な円形に近づいていきます。
レンズの小型・軽量化とのバランスを考えれば、十分納得できる範囲であり、使い方次第で自然なボケ描写をしっかり引き出せるレンズです。
【作例】
[設定 : ISO-400 F2.8 1/1000秒]
[設定 : ISO-1600 F1.8 1/50秒]
[設定 : ISO-400 F2 1/4000秒]
[設定 : ISO-400 F2.2 1/1600秒]
[設定 : ISO-400 F5 1/250秒]
[設定 : ISO-1600 F1.8 1/50秒]
[設定 : ISO-400 F2 1/4000秒]
[設定 : ISO-400 F1.8 1/320秒]
[設定 : ISO-400 F2.5 1/4000秒]
【最後に】
軽量でコンパクト、そしてしっかり写る。Sony FE 85mm F1.8は、そんな「ちょうどいい」バランスが詰まった中望遠単焦点レンズです。
開放F1.8では美しいボケ味が楽しめ、F8程度まで絞れば風景や街並みもしっかりシャープに描写。最短撮影距離は0.8mと標準的ですが、中望遠らしい圧縮効果で、被写体の立体感をぐっと引き出すことができます。
また、フィルター径67mmの小型設計により、持ち運びがとても楽なのも魅力のひとつ。カバンに常備しておけば、撮りたい瞬間にサッと取り出して撮影できる手軽さがあります。
撮影に行く日は「とりあえずこれ一本あれば安心」と思える、そんな頼れるレンズです。
中古で5万円前後(※2025年5月現在の相場)とコストパフォーマンスにも優れており、「はじめての中望遠単焦点」にもぴったりの一本です。
鹿児島天文館店 吉冨