予算1万円台 気軽にはじめるミラーレスカメラ Nikon1 V1【愛猫との日常記録レビュー】

皆さま こんにちは ナニワグループ 猫写真担当 見崎です。

皆さまは「やめたいのにやめられない習慣」はありますか?

筆者は、かつて新卒で入社した職場にて、職人気質な「ぽっぽや(鉄道員)」の方々と共に業務していました。

夜勤明けはもちろん、夕方定時で終業できるときは、父親より年上の諸先輩の皆さんから飲食の対話を通じて、社会勉強・人材育成を受けていました。(※京都駅界隈の飲み屋・レストランはほぼ制覇した高頻度でした)

その結果、退職後もワイン・ビールのある夕ご飯が当たり前の生活でした。

しかし、ある日から飼い猫を毎日 夕食時・就寝前に膝に乗せて過ごすようになってから、一切、アルコールを飲まなくても、翌日にストレスを繰り越さず済むようになりました。

筆者の場合、アルコールを我慢するために、猫を膝に乗せた訳でありませんが、結果的に悪習慣から卒業できました。

いまでは、朝食・昼食・夕食・就寝中も手に届く範囲に猫と過ごせるようになったために、愛しい猫を記録できる時間が増えました。

しかし、すでに実用的なデジタルカメラを持っているにもかかわらず、オールドデジカメを探し求めるという新たな「やめたいのに止められない習慣」ができていましましたね。

さて、今回の猫撮影レビューは、「やめたいのに止められない習慣」のおかげで、猫写真の知人より頂戴したミラーレスカメラ【Nikon1 V1】についてご紹介しましょう。

前回に引き続き、東大阪市の喫茶店「calm」様のご厚意のもと、 こむぎちゃん(仔猫)と愉快な仲間たちにモデルとして付き合ってもらいました。

最後までどうぞお付き合いくださいませ。

【小型軽量なレンズ交換式カメラシステムNikon1 シリーズ】

ニコン初のミラーレスカメラとして上位機種Nikon1 V1と、入門者向けモデルとしてNikon1 J1が2011年10月に販売されました。

画像処理の高速化を図り、静止画と動画の両方に優れた映像再現性を実現できるように、新開発レンズマウントシステム「Nikon 1マウント」を採用。

世界初のミラーレスカメラ「LUMIX DMC-G1」発売から3年遅れを取り戻す革新的な製品に仕上げられた点が大きな特長です。
Nikon 1(ワン) シリーズ名称の意味は、ゼロベースですべてが新設計された全く新しいシステムカメラ、つまり「0(ゼロ)」から「1(ワン)」を生み出し、デジタル世界を牽引する想いが込められています。

「Nikon 1 J1」「Nikon 1 V1」の筐体のデザインには、「シンプル」「すっきり」「スマート」「ハイクオリティ」のコンセプトが込められています。

フラットなボディとシンプルなデザインと片手に収まるサイズ感からレンズ交換型カメラをはじめて手にする20代の若い世代に人気がありました。
一方、保守的なデザインを好むフィルム時代からのニコンファンには賛否両論、見解が分かれ、Nikon1第3世代 Nikon1 V3で、野鳥・山岳写真愛好家を主に受け入れられたと、筆者のサービスセンター勤務経験から思い出します。

名称の分類として、ニコンデジタル一眼レフ「Dシリーズ」では、以下のように分類されています。

D3000番台・・・入門者向け
D5000番台・・・入門者・ファミリー向け
D7000番台・・・ハイアマチュア・多機能モデル

一方、Nikon1シリーズでは、「アルファベット+数字1桁(登場順に1から命名)」でクラス分けをしています。簡単な見分け方として、下記の通りです。

●電子ビューファインダー(EVF)あり・フォーカルプレーンシャッター搭載・・・Vシリーズ Nikon1 V1 V2など
●電子ビューファインダー(EVF)なし・エレクトロニックシャッター搭載・・・Jシリーズ・Sシリーズ Nikon1 J1 J2 J3 ・Nikon1 S1 S2など
●防水・耐衝撃性能・・・AWシリーズ Nikon1 AW1

Nikon1 V1には 2011年ころを考慮すれば、高性能な電子ビューファインダー(EVF)を搭載しています。

0.47型144万ドットの高解像度で見やすく、晴天時の屋外でもストレスなく構図を決めることができます。

【世界最速AF追従を可能にした「撮像面位相差AF」】

当時のミラーレスカメラのオートフォーカスは、コントラスト検出方式を採用していました。 コントラスト検出方式は、高速でピントを合わせる点が苦手としています。

そのため、最新機種「SONY NEX-5」でAF追従最高約2.3コマ/秒 「OLYMPUS PEN E-P3」でAF追従最高約3コマ/秒と、1990年代のエントリーモデルのAFフィルム一眼レフと同水準で、デジタルカメラ成長期に相応しいスペックとは言い難いものでした。

いっぽうNikon 1 V1には、合焦時間が短く、動体への追従性に優れている「位相差AF」と低輝度に強い「コントラストAF」の両方を備えた「アドバンストハイブリッドAFシステム」を採用。

フォーカルプレーンシャッター使用時でAF追従最高約5コマ/秒、エレクトロニックシャッターAF追従最高約10コマ/秒AF固定では最高60コマ/秒を実現、現行機種「Nikon Z fc」「Nikon Z30」と比較しても、負けず劣らずに追従するAF性能・連写性能を有しています。
Nikon 1 V1は「人物、犬、猫の顔や瞳を検出する瞳AF/動物AF」が存在しないミラーレスカメラ草創期の製品ですが、筆者の猫撮影では、ピントを外すことはありません。

これから、ミラーレスカメラをはじめたい方、探しているかたにもおすすめできる1台です。

【1インチセンサーを採用した「CXフォーマット」】

“1インチセンサー”を採用したデジタルカメラと尋ねれば、おそらく7割以上のカメラファンが回答するであろう【SONY RX100シリーズ】

初代【SONY RX100】発売時から、高感度性能・解像度・各種収差に対する性能の良さから、1インチセンサーの実用度を証明された機種でしたが、はじめて民生用デジタルカメラで、1インチセンサーを搭載したのは、Nikon1シリーズであります。

2011年9月でのプレスリリースでは、「ニコンCXフォーマット」(13.2mm×8.8mm)という分かりにくい表現で、はじめての1インチセンサー機種だったため、筆者の猫写真仲間では、第一印象は良くなかったことを思い出しました。
有効画素数は1,010万画素数、常用感度 ISO100-3200とセンサーサイズを考慮すれば、十分なスペックです。

高感度ノイズON/OFF切り替えは備えていますが、ISO800以上ではノイズが気になる方もいらっしゃるかもしれません。

高感度ノイズOFFでISO3200に設定すれば、Z世代で流行しているエモイ映像をつくることも可能です。

操作性については、プログラムオートやシャッター優先オートなどの切り替えは、モードダイヤルではなくMENUから行うためNikon デジタル一眼レフの快適な操作性に慣れている写真趣味層の方には扱いにくいかもしれません。

セットレンズ 1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6を装着した場合、背景のボケ具合は、筆者の感覚では、【OLYMPUS μ ZOOM PANORAMA】 【PENTAX ESPIO 90MC】などのフィルムコンパクトカメラに近いものがあります。

“1インチセンサー“を考慮すれば、メニュー画面で設定を色々変えるのでなく、プログラム露出おまかせでスナップ・ストリートフォトを好む方に向いています。

【念入りに確認すれば、集められる1 NIKKORレンズ群】

1 NIKKORレンズの発売期間(メーカー出荷期間)は、2011年10月~2018年6月頃とおよそ7年弱と短期間でしたが、歴代のNikon1シリーズでは、様々な交換レンズがキットレンズとして発売されたため、多くの種類において、中古カメラ販売店で容易に見つけることができます。

まずは、Nikon1 V1に装着できる1 NIKKORレンズ(防水・耐衝撃仕様を除く)を広角ズームレンズより列挙してみました。

【広角ズーム】
1 NIKKOR VR 6.7-13mm f/3.5-5.6

【標準ズーム】
1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6
1 NIKKOR 11-27.5mm f/3.5-5.6
1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 PD-ZOOM

【望遠ズーム】
1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6
1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6

【高倍率ズーム】
1 NIKKOR VR 10-100mm f/4.5-5.6 PD-ZOOM
1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6

【単焦点レンズ】
1 NIKKOR 10mm f/2.8
1 NIKKOR 18.5mm f/1.8
1 NIKKOR 32mm f/1.2

11種類の交換レンズがあります。

「1 NIKKOR VR 6.7-13mm f/3.5-5.6」「1 NIKKOR 32mm f/1.2」は製造本数が少ないですが、中古カメラ販売店を念入りに確認すれば、入手できます。

要注意レンズとしては、「1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6」を挙げます。

このレンズの多くは通信エラーが発生し、絞り羽根が最小絞りのままで撮影画像が真っ暗のままになる故障が頻発している個体が多いです。

メーカーの無償修理対応(告知修理)製品から外れており、保証期間が過ぎて未修理(故障)のまま、中古カメラ市場で「難有り」「ジャンク品」として格安で販売しているケースもあります。
一方で筆者のおすすめレンズとして挙げるのは、広角レンズ「1 NIKKOR 10mm f/2.8」 標準レンズ「1 NIKKOR 18.5mm f/1.8」の2本です。

コンパクトさと軽快なデザインから想像を超える開放絞り値から高いシャープネス・解像度が効いています。

1インチセンサー機種でも、引き延ばしプリントにも対応できる高画質レンズとして、是非とも手にしていただきたい交換レンズです。

【購入にあたって事前に知っておいてほしい点】

◆セットレンズ「1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6」は、無償修理受付済か必ず確認!!

Nikon1 V1・V2・J1・J2・J3・S1のキットレンズでも販売されていた「1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6」において、ズーム操作を頻繁に繰り返すと、通信エラーが発生し、
絞り羽根が最小絞りのままで撮影画像が真っ暗のままになる故障について、メーカーにて無償修理対応をしていました。

修理対応済の個体には、レンズ側マウントにある、カメラのレンズ着脱ピンが入り込む溝底部に黒い識別マークが入っているので、中古品を購入する際は、必ず確認しましょう。

なお、2021年1月15日をもって、メーカーでの無償対応の受付を終了しています。


◆Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15cは動作保証対象外

Nikon1 V1に対応するLi-ionリチャージャブルバッテリーは、「EN-EL15」「EN-EL15a」「EN-EL15b」です。

現行製品「EN-EL15c」は、放電特性が従来製品と異なるため、メーカー公式サイトでは推奨していません。

なお、2012年3月以降に出荷されたNikon1 V1に付属して販売された商品については、メーカーにて自主的に回収交換を行っています。

対象の製造ロット番号は、下記にて確認ができます。


◆スピードライト(外付けストロボ)は 専用機種「SB-N5」のみ対応

Nikon1 V1には、クリップオンE-TTL自動調光ストロボを取り付けできるよう「マルチアクセサリーポート」を採用しています。

そのため、一般的なアクセサリーシューを有するスピードライトSB-700・SB-5000などは取り付けはできません。

その代わりに、Nikon1 V1と一体化したデザイン設計により小型軽量化したスピードライト「SB-N5」のみ対応しています。

「SB-N5」の特長として、フラッシュヘッドが上方90度、左右180度に回転するバウンス機能を備えているので、ストロボ撮影に工夫を加えることは可能です。

【最後に】

最近は、インターネットオークション等で簡単に入手できるオールドデジカメですが、購入者が気にする事柄に、「カメラの状態が把握できない」が挙げられます。

インターネットオークションの性格上、驚くような低価格で落札できる場合もありますが、大きな不具合を抱えているリスクも多くあります。

カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラで販売している中古品は、1点1点、各種動作・各種状態を点検のうえ、不具合箇所を明記のうえ、店頭に並べています。

また、店頭で実機を触りながらテストできるほか、購入後に動作不良があった場合は初期不良対応も承っております。

はじめてのオールドデジカメで迷っている方は、是非とも当店でご用命くださいませ。

◆モデルになってくれた猫さん◆
こむぎちゃん コナン君 ティモ君

◆◆◆撮影協力:猫がいる喫茶店「calm」◆◆◆

住所:大阪府東大阪市長田東3丁目243

最寄り駅:近鉄/大阪メトロ長田駅   3番出口より徒歩3

駐車場:なし   ※近隣のコインパーキングをご利用ください。

未成年の入店:不可  日替わりランチ:あり   モー二ング:あり


※今回の猫撮影は特別に許可をいただいています。
猫カフェでありません
通常、猫は別部屋またはゲージ内にいます。

詳しい営業内容は「calm」公式ホームページにてお確かめください。