こんにちは! 心斎橋本店のたつみです。
このブログを書いているのは2025年もあと数日で終わりを告げようとしている最中ですが、おそらく公開されるのは年明け以降でしょう。
こちら見て頂いている皆様、明けましておめでとうございます\(^o^)/
毎回前月には出稿のスケジュールをもらうのですが、元来より「宿題」は間際にならないとしないタイプでして。。(^^;
今回も編集長に泣きを入れてギリギリ間に合わせる為にパソコンとにらめっこしながら書いております(笑)
それはともかく。。今回も毎度毎度の「Theマイナー機種列伝」!
第13回目のマイナーさんは 「ニコンFG」の巻です。
【じっくりと仕込みながら】
世界有数のカメラメーカー日本光学工業(現ニコン)から、以降のスタンダード機と呼ばれる事になる絞り優先AE搭載「FE」が発売されヒット商品となった1978年。
しかし、長年ライバルとして凌ぎを削ってきたキヤノンから、世界初のプログラムAEを搭載した「A-1」を投入されたことで、世の関心はこの新機能の虜となります。
俗にいう「マルチモード」時代が到来した訳です。
キヤノンがいち早く参入できたのには訳がありました。
従来よりシャッター優先AEを手掛けていた同社にとってはボディからレンズの絞りを制御する方法を持ち合わせていた事が起因します。
一方でニコンを始めとする各社は絞り優先AEカメラを得意としていた陣営で、この新しい露出制御を達成する為にはいくつもの工夫が必要でした。
FE発売から遡る1年前。ニコンはそれまでの露出連動の仕組みを一新してAI方式へ改めていました。
伝統のFマウントの形状はそのままに連動レバー形式を改良。
後世「ニコンを変えずにニコンを変えた」と呼ばれる事になる大転換を一気に押しすすめていました。
しかし息つく暇もないほどに技術革新の波はやってきます。
1年前に歴史的な仕事を終えたと思ったのに今度はボディから絞り制御をする方法を考えないといけないとは。。
どうする技術陣 (-_-;)
しかしそこは世界の雄ニコン(^^)v
慌てるどころかじっくりと腰を据えてこの課題に取り組みます。
まずは手始めに新型機種を用意します。
イタリアの世界的な工業デザイナー ジョルジエット・ジユジアーロ氏が意匠した「EM」を80年に発売。
絞り優先AE専用機と機能的に割り切ったこのオシャレで小型のカメラは話題となりヒット商品となります。
それに合わせてシリーズEと名付けられたレンズを同時発売しますがこちらはそれほど話題とはなりません。
しかし、安価な設定であったこのレンズこそが、後世まで脈々と続くAI-Sの仕様を先取りしていたのです。
つまりプログラムAE対応を実現する為にわざわざ別のシリーズで密かに仕組みを作りあげて新型機と合わせて先に市場に投入するとはすごいぞニコン!(^^)v

【さらに研究は進み。。】
次の課題は露出の制御方法でした。ここでもニコンは新しい工夫を行います。
EMの機構をベースに、絞り込み動作中の光量を監視して適正値になった瞬間に絞りを止め、それをもとにシャッタースピードを決める「瞬間絞り込み測光」という方式にたどり着きました。
様々な研究や試作の結果メリットもデメリットも検討の上でこの方法が採用されます。当時はまだまだ試行錯誤の時代でしたからね~それも致し方ない部分はあった訳です。
そしてキヤノンから遅れる事4年。
工夫に工夫を重ねたプログラムAEを搭載した新型機が1982年5月に登場します。
巨匠がデザインしたEMをベースとし、中身はニコン技術陣がじっくりと開発した新機構を携えたニコンFGが世に放たれたのでした。
【結構本気で考えられていたかも。。】
競合するライバルに対峙する為に投入されたニコンFG。
どのようなカメラだったのでしょうか?
先ずは基本スペックから。。
発売年月:1982年5月
・型式 電子制御式35㎜一眼レフレックスフォーカルプレーンシャッターカメラ
・マウント ニコンFマウント
・シャッター B・1-1/1000
・電源 3Vリチウム電池1個(CR1/3Nタイプ)、1.55V銀電池2個(SR44タイプ) 2個、1.5Vアルカリマンガン
電池2個(LR44タイプ)
・寸法 幅136mm 高87.5mm 奥行54mm
・質量 490g
・価格 61,000円
※上記は当時のメーカー製品カタログより参照
露出モードは絞り優先AEとマニュアル露出にニコン初のプログラムAEを搭載。
外装は当時の世相を反映してエンジニアプラスチックを採用。
シリーズのコンセプトでもある「女性ユーザーにも積極的に使ってもらえる」ような小さく可愛いカメラを実現する為のもの。
軍艦部のレイアウトもシンプルにまとめてわかりやすく配置。

特徴的なのはこれまたEMからの流れを引き継ぎ折れ曲がり式の巻き上げレバーを採用。
これは設計段階から技術陣が拘りをもっていた小刻み巻き上げを可能にする為、考えに考えた末に生まれた言わば意地の産物です。
一方で写真愛好家にも納得して使ってもらえるようと露出補正ダイヤルも装備。
当時各社大雑把な仕様も多い中で、1/2段毎の補正ができる配慮を見せます。
合わせて初心者の為にボディ前面には逆光補正(+2.0)のボタンを設置する念の入れよう。
またファインダー内表示はLED式を採用し視認性を向上。
マニュアル時は設定値とは別にメーターでの適正値を表示させる事で露出差を通知し使いやすさをアピールします。
さらにアクセサリーとしては専用のモータードライブ(MD-14)を用意。最速で秒3.2コマの連写を可能としカメラ小僧達の興味もくすぐります。
そしてフラッシュはTTL自動調光可能を搭載。専用フラッシュと組み合わせれば面倒な設定も要らず、すばやく撮影が可能!
基本的に扱いやすさを前面に出しつつ機能面の充実も上手く図るきめ細かな配慮!
そうです!皆様ご一緒に!!話題にならない訳がない!!(いつもご唱和ありがとうございます(笑))
ニコンとしての初のプログラムAE機ですからね~。俄然注目の的になると思われていたはずだったのですが。。
先行するライバル社との差はそれでも埋まりません。
各社においてはメインシリーズの中核機として位置づけられていたのに対し、ニコンでの位置づけはサブシリーズ扱い。。
販売戦略も広告量も見劣りしてしまいます。。(-_-;)マジカ
主力機種にも対抗できる機能を持ち合わせながら言わば泣かず飛ばず仕舞い。。
日陰の道を歩むほかなかったのでした。
【最後に。。】
世の流れに乗るように果敢に登場しながら陽の目をみる事が出来なかったニコンFG。
ライバル社の同型モデルが華やかに脚光を浴びるなかで、そう言えばそんなカメラもあったよねぇ~と揶揄された悲運のカメラ。。
しかし、ニコンはすでに次の一手を用意していたのです(後年数々の賞を受賞しまくるアイツです(笑))
その足掛かりとなる為に世に送り出されたと考えると功績はあった訳で、ニコンの歴史にしっかりと名を残す事が出来たのかもしれません。