レモン社 横浜店 島です
何事にもブームというものがありますが、カメラ業界では右も左も空前のコンデジブーム。
Instagramで海外のインフルエンサーやセレブの投稿を見ると、ハッシュタグで EDC (Every day Carry)と呼ばれる日用的に携帯する小型ガジェットを並べたお洒落な投稿をよく見かけますね。
その中に小型のデジタルカメラが並んでいるのをよく見かけるので、カメラにもアクセサリーやファッションとしての性質が望まれる時代なのでしょうね。
さて、そんな折に世間の流行にミーハーな実家の父親から"いい感じのデジカメを探している"というざっくりした相談を受けました。
なのでデジカメ……コンパクトデジタルカメラの記事を書かねばと思い、今回の記事を書き始めた次第です。
今回の主役は、SONYサイバーショットからZV-1やRX1などの影に隠れつつも、そこそこ息が長くシリーズ展開されていたRX100シリーズから、RX100IIIです。
2014年発売と今から11年前のカメラにはなりますが、いろいろと良いポイントがあるのでそのあたりを解説いたします!
【①SONY RX100III はどんなカメラ?】
まずRX100IIIの良いところはズバリ、収まりの良いデザインと程よく高性能なスペック。
この二つを兼ね備えた、非常に手堅いバランスの取れた設計のカメラです。
約290gの軽量小型のボディ。
突起の無い真四角なデザインはポケットに入れても引っ掛かりがなく、さっと取り出せるスタイリッシュさがあります。
ボディデザインで特徴的なのは、ポップアップ式の小型EVF。
RX100シリーズのI・IIにはついていなかったのですが、RX100IIIから新規で追加されてその後シリーズのアイコン的な存在となったユニークなデザインです。
本体内に格納されており、必要に応じてポップアップさせて使うのですが、めちゃくちゃ小さいのにしっかりZEISSのT*コーティングも施してあります。
まぁ正直、小さすぎて見え心地が良いとは言えないのですが……。
それでも、この小さなデザインの中でもファインダーを覗いて撮るという撮影体験を味わえるのは、遊び心があって嬉しい仕様です。
特に理由が無くとも、ポップアップさせたくなってしまいます。
機能面で特筆すべきなのは、搭載しているレンズが換算24-70mm F1.8-2.8相当と非常に明るいこと。
広角側24mmがF1.8、 望遠側70mmがF2.8というのは、コンデジとしては非常に突出したスペックではないでしょうか?
レンズ銘にバリオ・ゾナーを冠しており、信頼の青いZEISSロゴマーク( T*コーティング)ももちろんついています。贅沢な仕様ですね。
なお、センサーは有効約2010万画素の1.0型裏面照射型センサーを搭載しており、必要充分な解像感を出してくれます。
内蔵ストロボもついてるのが地味にありがたいですね。
【②RX100IIIのRX100シリーズ内ポジション】

それは、日常づかいの写真撮影用カメラとしては、RX100IIIがスペック的にも価格的にもいちばん「ちょうどいい」からです。
RX100シリーズは、合計2回レンズを刷新しています。
- I・IIは「28-100mm F1.8-4.9」(換算)
- III・IV・Vは「24-70mm F1.8-2.8」(換算)
- VI・VIIは「24-200mm F2.8-4.5」(換算)
今回ご紹介しているRX100IIIからレンズが24-70mm F1.8-2.8相当となったのですが、広角から中望遠までカバーしていて非常に使いやすいスペックです。
しかも、2025年12月現在だとRX100IIIは中古相場6~7万円前後で流通しているので、価格とスペックの釣り合いがよく魅力的です。
では、光学系を踏襲しているIV・Vを見てみると、より高性能にはなっているのですが価格がそのぶんちょっと上がります。
RX100IVからセンサーが積層型になっており、RX100Vから位相差検出方式AFセンサーを搭載してファストハイブリッドAFが使用可能になっていますが……。
IVが8万円代後半・Vが9万円代後半とやや値が張るので、普段使いのコンデジとしてはやや割高かなと個人的には感じますね。
ちなみに、2020年に発売されたVLOGCAM・ZV-1はRX100Vとほぼ同等のスペックですが、RX100シリーズの代名詞であるポップアップ式ファインダーはありません。
ついでに、光学系が異なるほかの系列もちょっと解説いたしますと、I・IIは28-100mm F1.8-4.9相当ですが、望遠端で開放F4.9と暗いのがネック。
また、広角側が28mmスタートなのも個人的には若干使いづらく、しかもポップアップ式ファインダーもついていません。
一方でVI・VIIは24-200mm F2.8-4.5相当と大幅に高倍率ズーム化しており、望遠端で開放F4.9と非常に高スペック。
ズーム機能に重点を置く設計に刷新されており、価格もだいぶ上がります。また違う趣向のカメラという印象ですね。
【③実写作例】
さて、それでは実際にRX100IIIで撮影した作例をお見せしながら、その魅力を解説していきたいと思います。
カメラの写りをなるべく忠実にお見せしたいので、掲載している写真はすべてJPEG撮って出しです。
さすがZEISSレンズを搭載しているだけあって、色乗りやコントラストはなかなかいい感じです。
彩度は高いですが、ベタっとはしない程よい色味で、旅先の風景写真などでも十分に活躍しそうです。
逆光時でもクリアでヌケのいい写りを発揮してくれるので惚れ惚れしますね。流石のZEISS T*コーティングです。
1.0型センサーなのでハイライトの余裕はそこまでありませんが、普段使いのコンデジでしたらこれぐらいで全然困りません。
広角端24mmでの作例です。
標準ズームレンズの広角端としてもうすっかり定着している画角ですが、これぐらい広い範囲が写せれば大抵の場合は困ることがないので本当に便利ですね。
また、RX100IIIは広角端で最短約5cm・最大撮影倍率0.41倍と接写にもかなり強いのが良いところ。
こちらは望遠端70mm 絞り開放F2.8での撮影です。
センサーサイズのわりにはボケ感もかなりしっかり得られるので、これまた非常に満足度の高いスペックです。
このカットも70mmで撮影していますが、かなり寄ってボケを大きくしています。
周辺部にはわずかにボケのざわつきがありますが、被写体の配置さえ多少気を付ければ問題はないでしょう。
明暗のグラデーションがある場所も撮ってみました。さすがにセンサーが小さいぶん、明暗の諧調は再現が少し弱さを感じます。
しかし、思い切って露出をアンダーに振ってコントラストの強い写真にしてみたら、なかなかいい感じです。
こういう風に工夫しながら撮ることも楽しみの一つですね。
暗所での作例です。ISO 1250、絞り開放F1.8、シャッタースピード1/80で撮影しています。
レンズが明るく、光学式手振れ補正も入っているので、イルミネーション撮影は問題なく撮影できました。
ちょっとだけ高感度耐性もテストしてみたのをお見せしていきます。
1枚目がISO1250で撮影した写真で、2枚目はその写真の細部を拡大してみたものです(写真タップすると大きい画面で見られます)
ノイズ感は少しあるものの、拡大してみても色の再現性や被写体物の輪郭も保たれており、個人的にはあまり不満ありません。
複数のレビューで「ISO800までは、ディティール良好」と書かれているのを見ましたが、体感的にはISO1600まではそこまでの画質劣化を感じません。
なお、常用感度の上限であるISO12800で撮った写真のディティール拡大がこちら。かなりガビガビになって輪郭もぼやけ、色も霞んでしまっています。
センサーサイズが小さいので、ISOの上げすぎにはやはり注意すべきでしょう。
【④使用してみた感想】
正直なところ、今回ブログ用にしっかりこのカメラに触れるまでは”所謂コンデジ”らしい写りなのではと少し舐めてかかっていましたが……。
出てくる画の力強さに驚いたというのが、正直なところです。
明暗の階調や発色の良さは想像以上に良く、コンデジであることを忘れる程です。
24-70mm F1.8-2.8相当というレンズスペックも、日常的に使うのにはかなりちょうどいいです。
ZEISSの名を冠したバリオ・ゾナー レンズを搭載しているだけあって、細部までシャープで解像感のある写真が楽しめます。
はじめこそ、「何のために付いてるのか?」内心 訝しげに見ていたポップアップファインダーも、使ってみるとそのユニークなデザインにすっかり好感を持ちましたね。
「ガジェット」感があって、趣向性あふれるデザインに惚れてしまいました。
(ファインダーを中に押して戻すと電源もオフになってしまう仕様なのですが、ここはちょっと煩わしさを感じたポイント……)
そのほかにも若干動作のもたつきを感じるところがありますが……。
ゆったりとした操作感のため、かえって脇を絞めてきちんと写真を撮ろうという”考える間”を与えてくれるので、意外にもストレスに感じませんでした。
カメラをポケットから出し、レンズが繰り出されて、モニターが点灯。ファインダーをぴょこっと出してカメラを目元に近づけて構図を決める……。
この一連の動作に、写真機としての楽しさが凝縮されている機種だと思います。
【最後に】

ナニワグループ各店およびオンラインショップにはRX100シリーズの在庫がいろいろありますので、チェックしてみてください。